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プロ野球「戦力外通告」の男たち2014 ロッテ・GG佐藤 オリックス・東野峻 広島・齊藤悠葵ほか

2014年11月18日(火) 週刊現代
週刊現代

——突然の電話に男たちは声を失い、家族はただうつむいたそれでも彼らは、また次の一歩を踏み出そうとしている

かつて開幕投手を務めた男。日本代表の主砲に選ばれた男。どんな実績があろうと、力が衰えれば、待っているのは残酷な現実だ。そのとき、何を思うのか。野球に人生を捧げてきた男たちのドラマ。

「こんなにあっさりと」

「戦力外は覚悟していました。去年1勝しかできず、今年が勝負の年だとわかっていましたが、結局一軍には上がれませんでしたからね。夏頃には、クビだろうな、と感じていました。だから悔しいとか、ショックより、しょうがないというのが伝えられたときの正直な気持ちでした。

契約更改はあっという間でしたね。『お疲れ様です。構想外なので契約できません』と球団の方に言われ、『わかりました』と。1分もかからなかったんじゃないかな。噂には聞いていましたけど、こんなにあっさり終わるのかと、そこは驚きました」

今オフ、オリックスから戦力外通告を受けた東野峻(28歳)は、淡々と現在の心境を語り始めた。場所は、都内のある喫茶店。店内には、まばらではあるが他の客も何組かいた。

東野といえば、巨人にいた'10年に13勝を上げ、'11年には開幕投手も務めた男だ。それだけに、「東野だ」と気づく客がいてもおかしくはなかった。しかし、声をかける者はおろかこちらに目を向ける者すら一切いなかった。

180㎝を超す長身とがっしりした身体つき、そして端正な顔立ち。それらは全く変わっていなかった。だが、かつては周囲を圧倒するほどだった「オーラ」が、失われていた。

「この3年間でだいぶダメージを負いました。ストレスを感じて、去年は胃カメラの検査を受けに2~3回病院へ行きましたし、実際、今シーズン中は逆流性食道炎になりました。

自分で言うのもなんですが、昔の僕はイケイケでした。だけどここ数年は違った。たまに一軍で登板すると、むちゃくちゃ緊張するんです。前はどんどんストライクを投げ込めていたのに、『もし打たれたらまた二軍だ』という思いが頭をよぎる。結果、コースを狙いに行ってフォアボールを出したり、甘く入って痛打される。その繰り返しでした」

東野は'12年に突如不振に陥り、その年のオフにトレードでオリックスへ移籍。オリックスでの初登板でいきなり勝利を上げたときは、誰もが復活を期待した。しかし、その後打ち込まれる試合が続き、二軍へ。同年の終盤には一軍へ昇格したが、結局勝利は上げられず、今季を迎えていた。

この間、何か大きな怪我があったわけではない。年齢もまだ28歳。ファームでも常に、140㎞台後半の球速が出ていた。

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