毎日フォーラム~毎日新聞社

特集 火山と向き合う
戦後最悪の御嶽山噴火
改めて知る火山国・日本の厳しさ

2014年11月23日(日) 毎日フォーラム
毎日フォーラム
upperline
噴火直後、すさまじい噴煙が上がる御嶽山の山頂付近=9月27日、江田敦典さん撮影(提供写真)

戦後最大の犠牲者を出した9月27日の御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火は、火山と向き合うことの厳しさと難しさを改めて浮き彫りにした。世界に約1400ある活火山のうち110が集中する火山国・日本。気象庁が24時間体制で監視を続ける活火山は47あるが、そのうち具体的な避難計画が策定されている火山は数山に過ぎないという。大規模な火山噴火は経済活動や国民生活に深刻な打撃を与える広域被害につながる。国と自治体、地域住民が緊密に連携した対応策が求められる。

御嶽山噴火による救助活動は10月16日に打ち切られ、これまでに57人の死亡が確認され、さらに6人が取り残されている可能性がある。

世界有数の火山国である日本だが、総噴出量が10億立方メートルを超える大規模な噴火は1914年の桜島(鹿児島)以来ない。1億立方メートルは東京ドーム約80杯分に相当する。特に活動が盛んな47火山を、気象庁は地震計や衛星利用測位システム(GPS)などを使って常時監視している。

そのうち、富士山や阿蘇山など30火山では、5段階の「噴火警戒レベル」が適用されている。住民の避難が必要な5から、特別な行動を求めない1まである。御嶽山は1だったが、今回の噴火で入山規制が実施される3に引き上げられた。このほかに3は桜島と口永良部島だけだ。気象庁によると、1の火山の状況は基本的に静かな状態で、火口内で火山灰の噴出などが見られることもあるが、火口内が危険でも登山者の入山自体は規制されない。御嶽山でも規制がなかった。

昨年5月に内閣府の検討会が、広域被害をもたらす火山の大規模噴火について、監視体制の強化や避難計画の早期策定などを盛り込んだ初の提言をまとめている。検討会は、溶岩や灰などの総噴出量が1億~数十億立方メートルの大規模噴火を想定した。その噴火では溶岩流や火砕流による被害が生じるほか、火山灰が1~2センチ積もると道路通行に支障が生じるなど影響が大きいとした。提言は気象庁が常時監視の対象としている47火山のうち、10火山(当時)で周辺自治体がハザードマップ(災害予測地図)を整備していないなど対応が遅れていると指摘した。

次ページ 提言はハザードマップの早期策定…
1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事