「スーパーグローバル大学」37校選定
世界トップレベル目指す優遇策 文科省[教育]

文部科学省はこのほど、世界トップレベルの教育・研究を目指す「スーパーグローバル大学」37校を選定し、公表した。1校当たり毎年1億~4億円の補助金を国が10年間投入するという異例ともいえる優遇策だ。国際競争力を強化し、大学の世界ランキングでトップ100入りなどを目指す。日本への留学者数、日本人の海外留学者数は近年、ともに減少傾向。グローバル化が進む中で、日本が取り残されかねないとの危機感が背景にある。

文科省はこれまでも大学のグローバル化事業を進めてきた。例えば、国際的に活躍できる人材づくりを支援する「国際化拠点整備事業(グローバル30)」(2009~13年度)や「大学の世界展開力強化事業」(11年度~)などだ。しかし、「対象が大学の中の一部の部署に限定され、大学全体の取り組みにつながっていなかった」(文科省)といい、グローバルかの普及という面では十分な成果が上がっていないという見方がある。

グローバル化の遅れは大学の世界ランキングに現れている。世界ランキングは英国の民間企業などがそれぞれの指標に基づいて公表している。その一つ、英国の教育専門誌「TimesHigherEducation」が今年10月に公表したランキングでは、日本の大学でトップ100入りしたのは東京大(23位)と京都大(59位)のみという寂しい状況だ。

ランキングは、(1)教育(2)論文引用(3)研究(4)国際化(5)産学連携の五つの指標で評価しているが、日本の大学が低迷しているのは「国際化」の評価が低いことが要因とされる。毎年トップ10はハーバード大(米国)、オックスフォード大(英国)など英米の大学が占めている。

今回選定したスーパーグローバル大学は「トップ型」(A)と「グローバル化けん引型」(B)の2種類。Aは特に世界の大学トップ100入りを目標に掲げ、Bは日本社会のグローバル化を推進する大学を目指す。補助金は各大学のグローバル化事業を支援するのが狙いで、有能な研究者を招いたり、施設を充実させたりする費用に使われる。

今年春に公募し、Aには16大学、Bには93大学が申請した。審査は木村孟・東京都教育委員長ら11人の専門家で構成する「有識者委員会」が担当。▽学生・教員の外国人比率の向上▽入試改革▽留学生と日本人学生が一緒に住める環境の整備――など41項目の共通指標に加え、各大学の構想内容も踏まえて審査した。

その結果、Aには13大学が選定された。国立大学では北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大の旧帝大7校全てと、筑波、東京医科歯科、東京工業、広島の各大学が入った。私立では早稲田大と慶応大の2校のみが選ばれた。

Bには国立10校、公立2校、私立12校の計24大学が選ばれた。東京芸術大や京都工芸繊維大など特定分野に強みを持つ国立大のほか、福島県の会津大や秋田県の国際教養大などの地方公立大も名を連ねる。