サッカー
二宮寿朗「サガン鳥栖が秘めるポテンシャル」

 財政規模の小さいサガン鳥栖が、今年のJ1を盛り上げている。夏場までは首位を走っていた。快進撃の立役者だったユン・ジョンファン監督がシーズン途中で解任された余波を受けて一時期、調子を落としたものの、粘り強く上位にとどまっている。残り3節となった現在も4位と、目標の「ACL出場」(3位以内)を狙える位置につけている。

攻めの姿勢による効果

 情報開示されている昨年度の営業収益は17億円ほどだった。J1全18チームのなかで15番目の数字(トップは浦和レッズの約57億8000万円、鳥栖を下回ったのはヴァンフォーレ甲府、大分トリニータ=現J2、湘南ベルマーレ=現J2の3クラブ)なのだが、それでも前期比17%という伸び率である。

 財政規模が小さければ、監督、選手たちのチーム人件費も当然抑えられる。鳥栖のチーム人件費10億円(昨季)はこれも全体の15番目ではあるが、営業収入の約60%がチーム人件費にかかっている。昨季、2連覇を達成したサンフレッチェ広島を見てみれば、営業収入約32億円に対してチーム人件費は14億5000万円ほど。割合にして約45%に収めている。

 鳥栖としてはもう少し抑えたいところだろうが、この攻めの姿勢による効果も見ていく必要がある。今季のチームは首位争いを演じ、ホームスタジアムの来場者数もここまで1試合平均1万3818人と昨季の1万2010人を1800人も上回っている。九州には数多くのJクラブがひしめいているが、ピッチ内外ともに一番の勢いを感じてならない。