『マッサン』『ドクターX』も然り。歴史的ドラマにはいつも名「助演者」がいる。「脇役」「端役」扱いするべからず!
NHK「花子とアン」HPより

制作者の色は助演者のキャスティングに表れる

「助演者ブーム」が続いている。新聞や雑誌などに、助演者たちに焦点を合わせた記事が相次いで掲載されている。

花子とアン』では吉田鋼太郎たちがクローズアップされた。『半沢直樹』と『ルーズヴェルト・ゲーム』は手塚とおる、石丸幹二らを時の人にした。それより前に、『相棒』によって、六角精児と川原和久が寵児になった。いずれも個性と存在感に溢れる好演を見せ、ドラマ界に刺激を与えた。

ドラマ制作者の熱は、助演者のキャスティングに、よく表れると思う。現在のドラマ界は主演俳優がほとんど固定化されているからだ。制作者の自由が効きにくい。近年のドラマ界における主演俳優の固定化は、1960年代半ばまでの映画界黄金期の「スター・システム」と似ている。

ドラマも黄金期の映画も主演俳優は僅か。限られた人数の俳優が、数ヵ月から数年おきに主演する。テレビ局側としては人気者をメインに据えることにより、あらかじめ一定の視聴率を見込みたいし、黄金期の映画界も銀幕のスターたちの集客能力に期待していた。実績の乏しい俳優の主演ドラマを制作側がつくろうとすると、番組ラインナップを決める編成部が良い顔をしない。スポンサーも付きにくい。

ほかにも理由がある。ご存じの通り、テレビ局と芸能プロダクションの間には、抜き差しならぬ関係があるからだ。テレビ局側にすれば、人気者を多く擁する芸能プロから、イチ押し俳優の起用を頼まれれば、無下には断れない。

このため、実力や人気が十分とは思えない俳優が、立て続けに主演を務めることもある。視聴者不在のやり取りなのだが、人気者をライバル局に回されたら、テレビ局側は困るので、この構図はなくならないだろう。

こういった背景があるので、制作者の色が出るのは、圧倒的に助演者ということになる。制作者の眼力やセンス、力量が表れやすい。助演の起用にもテレビ局と芸能プロの関係が影響するが、主演のそれとは比べものにならない。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら