雑誌
安倍官邸が画策中それ行け!11・19「いまのうち解散」だ「思ったより支持率が下がらなかったな」「野党は全然、準備できていないよな」
週刊現代 プロフィール
〔PHOTO〕gettyimages

相次ぐ閣僚の辞任、パッとしない日本経済と、もはやガタガタの安倍政権。しかし総理には、すべてをチャラにする「最終手段」が残されている。その効果は、ピンチであればあるほど大きくなるのだ。

日銀「追加緩和」は布石

突如として、永田町に再び「解散風」が吹き始めた。自民党幹部議員が言う。

「安倍総理がまもなく解散に踏み切るのではないか、という噂は夏にも一度流れたけれど、今回はその時とはだいぶ様子が違う。会う人会う人、『解散、あるんですかね』って聞いてくるんです。本当に焦っている議員も少なくない」

先月末、新聞各紙が示し合わせたかのようにして、一斉に「年内解散・総選挙の可能性」を報じた。記事の内容はどの社も一緒で、「自民党内で年内解散という声が出始めている。しかしこれは、閣僚のスキャンダル追及で図に乗る野党を牽制するための官邸によるブラフ(脅し)だ。その証拠に、自民党幹部は『選挙の準備などしていない』と否定している。総選挙をしても、自民党は議席を減らすだけだ」というものである。

小渕優子前経産相、松島みどり前法務相と、総理が肝煎りで登用した閣僚たちが「政治とカネ」や公職選挙法違反の疑いで次々と倒れてゆく。官邸の「警戒レベル」は第二次安倍政権が始まって以来、明らかに最高クラスまで引き上げられた。政権はかつてないダメージを負っている。

それにただでさえ、経済と消費税増税、拉致問題、原発再稼働と、現在進行形の問題が山積みなのだ。そんな身動きのとれない状況で解散なんて、できるわけがない—確かに、これが「道理」というものだろう。

だが、年内解散を「こけ威し」と一笑に付す人々は、重要なことを忘れている。衆議院解散とは、総理だけが抜くのを許される「伝家の宝刀」、ゲームをリセットし、全議員を従わせることのできる唯一にして最強のカードだということを。

10月31日、前触れもなく日銀が最大20兆円規模の大型追加緩和を決め、日経平均株価は年初来高値を更新した。金融政策は日銀の専権事項だが、決定には「何としても株価を維持する」という安倍総理の執念が、何らかの形で作用した可能性も否定できない。そしてこの「サプライズ」は、安倍総理がひそかに準備する「さらに大きな仕掛け」に向けた布石と見るべきだ。

周囲がいくらこけ威しと言おうと、いまの安倍総理にとって「解散」こそ最大のサプライズ。さらに、総理には「伝家の宝刀」を抜き、「いまのうち解散」に踏み切る十分な理由がある。

小渕前経産相、そして松島前法務相のスキャンダルに、官邸は速やかな辞任で幕を引こうとした。また、その後明るみに出た望月義夫環境相、小渕氏の後任・宮沢洋一経産大臣の問題については、先手を打って本人に謝罪させ、マスコミにスクープされるのを防いだ。「すべては菅義偉官房長官の采配」(全国紙政治部官邸担当キャップ)である。

しかし、雲行きが怪しくなっている。全国紙社会部の司法担当デスクが言う。

「東京地検特捜部が、小渕氏に対して本気を出している。特捜部はみんなの党・渡辺喜美氏の『消えた8億円問題』を詰め切れず、苛立っていました。そこに現れた恰好の獲物が彼女だった。小渕氏本人が起訴される流れになれば、議員辞職も視野に入る。罪状は選挙違反と横領でしょう」

小渕氏のカネを差配していた元秘書の折田謙一郎・前中之条町長に対しては、すでに取り調べと家宅捜索が始まっているが、彼だけで終わるはずはない。

「小渕氏どころか、自民党と関係が深い大澤正明群馬県知事、それに折田氏がかかわっていたという八ッ場ダムの建設業者まで、イモ蔓式につながる可能性が高い。そうなれば、小沢一郎氏の時のような一大スキャンダルに発展します。

すでに地元の支持者からも、『優子さんは、誰かが捕まる前に身を引く(議員を辞める)べきだ』という声が出ているようです」(前出・全国紙司法担当デスク)

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら