政治


消費税再増税に3つの逆風吹くが
われわれは「増税放棄で政権延命」に付き合ってよいのか

政権延命か、再増税か                                                                            photo Getty Images

今春に続き、来秋に予定されている消費税の再増税(税率の8%から10%への引き上げ)に、激しいアゲンストの風が吹き始めた。その暴風は、①冷え込む景気、②黒田日銀のサプライズ緩和に対する懐疑的見方、③衆議院の解散風―の3つである。

しかし、消費増税は、世界一の借金大国である日本の財政健全化の要であり、事実上の国際公約だ。放棄すれば、日本の政治・経済体制に対する国際的な信任が揺らぐだけでなく、今世紀半ばに向けて進む一方の少子高齢化社会へ向けた国家の健全な運営が覚束なくなるリスクがある。

消費増税を断念するのは、副作用がつらいからと言って抗がん剤や放射線による治療を拒むのとよく似ている。治癒の機会を永久に逃す結果にならないか、じっくりと考えてみる必要があるだろう。

下方修正ラッシュ

日本経済の減速は今年度(2014年度)に入って、悪化に歯止めがかからない。その実情を浮き彫りにしているのが、年度初めは楽観的だった民間シンクタンクの今年度経済予測の下方修正ラッシュである。

国内シンクタンクの草分けである日本経済研究センターが公表している「ESPフォーキャスト調査」(国内の有力エコノミスト42人に対するアンケート調査)をみると、総じてエコノミストたちは年度始めの頃、楽観的だった。今年度の成長率(実質GDP)予測を2カ月連続で上方修正し、6月には0.85%の高成長になると見込んでいた。7月も、エコノミストたちは0.85%に予測を据え置いた。

ところが、8月から10月にかけて見方を一変し、3カ月連続で下方修正に踏み切った。10月9日公表分のESPフォーキャスト調査をみると、今年度の成長率予測は0.34%。ピーク時の半分以下だ。

個別シンクタンクの動きにも、下方修正の跡がみてとれる。日本経済研究センターは、6月10日にピークの0.8%の成長という予測を出した後、8月14日と9月9日に下方修正を行い、現在の予測値(0.4%)に引き下げた。

その前日の9月8日、第一生命経済研究所は8月13日公表の予測値(0.4%)を改訂しプラス0.0%(ゼロ成長)に改めた。さらに、民間調査機関の予測をまとめた11月1日付の日本経済新聞の記事によると、第一生命経済研究所はもう一段の下方修正を行い、ついにマイナス0.2%(マイナス成長)への転落を予測したという。この日経記事は、BNPパリバ証券がマイナス0.3%とさらに深刻な予測を寄せたことも明かしている。