新しい時代に物を売るために必要なのは、「志」と「キャッチーな言葉」
『物を売るバカ』著・川上徹也氏×「営業部女子課」太田彩子氏 スペシャル対談
写真左:太田彩子氏、右:川上 徹也氏

リクルート「Hot Pepper」の営業担当として数々の賞に入賞した後、人材育成コンサルタントとして45,000人以上の営業を支援した経験を持ち、営業女子コミュニティでは日本最大級「営業部女子課」を主宰する太田彩子さん。新しい時代の物を売る方法、ストーリーブランディングを提唱した『物を売るバカ』が5万部を突破した川上徹也氏のお二人で、営業として「売る」ということ、ネーミングやキャッチコピーの極意についてお話していただきました。

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ガトーショコラに教えられた、営業の神髄

太田 ご無沙汰しています。もう、何年ぶりでしょうか。

川上 本当にお久しぶりです。今日は、「新しい時代に物を売る方法」というテーマでざっくばらんにお話しできればと思っています。最近、また新たなステージにチャレンジされたということですが、それについては後ほど伺わせていただければと。

太田 毎日勉強の日々でてんやわんやですが(笑)、今日をとても楽しみにしていました。

川上 初めて太田さんとお会いしたのは、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)が発売されたすぐあとに開催された勉強会でしたよね。太田さんはそのときから「営業部女子課」や「かしこカワイイ」を掲げていらっしゃって、すばらしくキャッチーだな、と思ったのをまだ覚えています。

太田 ありがとうございます。

川上 しかも、それがただ上辺だけ強い言葉ではないんですよね。太田さんご自身の営業としてのストーリーがあるから、「嘘」がない。説得力もあるからこそ、若い女性のハートをがっちり捕まえたんでしょう。

太田 キャッチーと言えば、川上さんの新著『物を売るバカ』も相当強いタイトルですよね。これはどういう意図でつけられたんですか?

川上 ストーリーブランディングを軸に、これからはバカ正直に物を売るだけでなくストーリーを売っていきましょう、という本なのですが、やっぱり店頭でキャッチーになることを少し意識しました(笑)。「いい商品」というだけではもう買ってもらえる時代ではないぞ、ということを読者に届けたかったんです。

太田 たしかに営業も、売ろう、売ろうとしてうまくいく時代ではなくなってきました。もはや「買ってください!」というダイレクトな営業を受けても誰の心にも響きませんし、そればかりか、お客様にうんざりされてしまいかねません。

川上 Hot Pepperの営業をされていたとき、太田さんもはじめは「売ろう!」としてうまくいかなかったそうですね。

太田 自分としては「お客様のために」という思いがあっても、やはり心の底には「売らんかな」という気持ちがあったんでしょう。営業はひとりひとりが数字を背負わされているので、会社からのプレッシャーを常に受けています。それは仕方ないことです。けれど、そのプレッシャーに負けて「数字を達成するために売る」という意識になった途端、お客様に気づかれてしまうんですよね。

川上 自分がお客様の立場だったら、「本当に自分たちのことを考えてくれているのか、それとも会社の数字のためなのか」をはっきりと感じるでしょうね。

太田 私もそうでしたが、新人のときはストーリーどころか「目標数字」しか考えられません。しかし、「買ってください!」とダイレクトな営業をすると、間に合ってる」とダイレクトに断り文句を並べられてしまう。すると、数字が達成できずに余計焦って・・・・・・と悪循環が生まれてしまいます。そんな私の転機になったのが、新宿にある「ケンズカフェ東京」でした。