[アイランドリーグ]
香川・伊藤秀範コーチ「寺田、入野、山本、篠原がNPBで活躍するために」

2つの武器ができた寺田

 ドラフト会議で香川からは寺田哲也(東京ヤクルト4位)、篠原慎平(巨人育成1位)の2投手が指名を受けました。担当コーチとして、この2人は何とかNPBに送りこみたいと思っていただけに、この結果に、まずはホッとしています。

27歳だが、「制球力も良く、完成度も高い」と即戦力の評価を受けた寺田。

 寺田は中継ぎに回った後期、一段とレベルアップしました。持ち味である回転の良いストレートがさらに良くなったことに加え、課題の変化球もフォークボールが決め球となりつつあります。

 前回、9月初めの時点では、フォークに関して「本人は、まだ自信がないようでサインが出ても首を振ってしまうところが残念」と書きましたが、その後はどんどん放るようになり、バッターの反応を見て手応えをつかんだのではないかと感じます。

 ストレートとフォーク、2つの武器ができたことがスカウトへの最終アピールとなったのでしょう。ヤクルトは投手力が課題のチームですから、チャンスは大いにあるはずです。

 むしろ、即戦力として期待されたのですから、フル回転するくらいの働きをしなくてはいけません。幸い、NPBのボールはアイランドリーグの使用球と比べれば質が高く、指へのかかり具合は良いはずです。今まで以上にストレートのキレは良くなるとみています。

 BCリーグ・新潟時代の監督でもあった高津臣吾さんが投手コーチを務めている点もプラスに働くでしょう。ぜひ、寺田には僕がヤクルトで達成できなかった初白星をつかんでほしいと願っています。

 そのためには当然のことながら、さらなる進化が求められます。フォーク、スライダー以外の変化球も、もっと精度を高めることが重要でしょう。

 そして、クイックの改善も課題になります。彼はしっかりタメをつくってボールに力を加えようとするあまり、走者がいる時もモーションを起こしてから投球までのタイムが遅くなりがちです。現状は1秒25から1秒3の中間あたり。1秒3以上かかってしまうと、NPBではどんどん盗塁を仕掛けられます。

 タメをしっかりつくりつつ、速く投げる。この2つの作業を両立させるには、たとえば軸足をもう少し曲げてみるといった工夫が必要です。本人も、この点は自覚していますから、ヤクルトでコーチの方にアドバイスをもらいながら克服してほしいと思います。