経済的成功の裏にある苛烈な競争主義---シンガポールにおけるローカルスクールの教育制度

2014年11月07日(金) 岡村 聡
シンガポールの有名ローカル校

デメリットも目立つローカルスクールの教育制度

ここまでの3回(過去記事はこちら)はシンガポールの教育について、インターナショナルスクールを中心に書いてきました。今回はシンガポールの現地校(ローカルスクール)について紹介したいと思います。

教育にかぎらず、最近、日本でシンガポールについて紹介される場合、経済的繁栄や移民政策の成功などポジティブなトーンで語られることがほとんどです。しかし、経済的成功の裏では、苛烈な競争主義が徹底されており、デメリットも目立ってきています。それが端的に表れているのが、ローカルスクールの教育制度です。

シンガポールのローカルスクールでは、小学校4年のときに「GEP(Gifted Education Program)」を認定する試験を受けることができます。このプログラムは文字通り「天才(Gifted)」を認定し、ハイレベルのカリキュラムを学ばせるもので、数学と英語のテストで上位1%のスコアをマークした生徒を選出するのです。

GEPに選ばれた子供たちだけのクラスがトップ9つの小学校にあり、より高度なカリキュラムによる教育を受けることができます。GEPのクラスがない小学校から認定される生徒が出ると、小学校5年生から別の学校に転校して授業を受けることも可能になります。

トップクラスの現地小学校に通う、知人の日本人の娘さんは、まさにGEPのテストの最中で現在上位3%に選ばれており、さらに上位1%を絞り込むテストをこれから受けると話しています。ただ、あまりにこのテストの準備や選定プロセスが厳しく、子供の個性を阻害するような気がするため、もしGEPに選ばれたとしても、来年からは英国の名門ボーディングスクールに転校させることも考えているようです。




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岡村 聡

株式会社S&S investments代表取締役。東京大学工学部卒業 東京大学大学院学際情報学府卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて全社戦略の立案、生産性改善に携わる。アドバンテッジパートナーズにおいて、多くの企業買収のデューデリ、投資先企業の経営改善に従事。2010年11月に妻と2人で、株式会社S&S investmentsを創業。