経済的成功の裏にある苛烈な競争主義---シンガポールにおけるローカルスクールの教育制度
シンガポールの有名ローカル校

デメリットも目立つローカルスクールの教育制度

ここまでの3回(過去記事はこちら)はシンガポールの教育について、インターナショナルスクールを中心に書いてきました。今回はシンガポールの現地校(ローカルスクール)について紹介したいと思います。

教育にかぎらず、最近、日本でシンガポールについて紹介される場合、経済的繁栄や移民政策の成功などポジティブなトーンで語られることがほとんどです。しかし、経済的成功の裏では、苛烈な競争主義が徹底されており、デメリットも目立ってきています。それが端的に表れているのが、ローカルスクールの教育制度です。

シンガポールのローカルスクールでは、小学校4年のときに「GEP(Gifted Education Program)」を認定する試験を受けることができます。このプログラムは文字通り「天才(Gifted)」を認定し、ハイレベルのカリキュラムを学ばせるもので、数学と英語のテストで上位1%のスコアをマークした生徒を選出するのです。

GEPに選ばれた子供たちだけのクラスがトップ9つの小学校にあり、より高度なカリキュラムによる教育を受けることができます。GEPのクラスがない小学校から認定される生徒が出ると、小学校5年生から別の学校に転校して授業を受けることも可能になります。

トップクラスの現地小学校に通う、知人の日本人の娘さんは、まさにGEPのテストの最中で現在上位3%に選ばれており、さらに上位1%を絞り込むテストをこれから受けると話しています。ただ、あまりにこのテストの準備や選定プロセスが厳しく、子供の個性を阻害するような気がするため、もしGEPに選ばれたとしても、来年からは英国の名門ボーディングスクールに転校させることも考えているようです。