伊藤博敏「ニュースの深層」
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「最後のフィクサー」朝堂院大覚が逮捕されたウラ

2014年11月06日(木) 伊藤 博敏
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最後のフィクサーが主宰していた「インターネット放送局」のHPより

好悪は別にして、「事件記者ならあっておくべき人物」としてマスコミに“認知”されていたのが朝堂院大覚(73)だった。

「報道規制のないインターネット放送局」を運営

後藤田正晴、亀井静香、石原慎太郎といった大物政治家にパイプを持ち、芸能人や企業に相談を持ち掛けられ、警察の情報担当者が日常に接して情報収集を絶やさない一方で、暴力団、右翼、半グレといった反社会的勢力にもパイプがあった。

「表」と「裏」の双方に通じて、その仲介役を果たすという意味ではフィクサー。3年前に作家の大下英治が、『最後の黒幕 朝堂院大覚』(竹書房)を上梓したが、そこでは、黒幕=フィクサーと呼ぶに相応しい著名事件との関わりが記されていた。

そのフィクサーが、10月末、逮捕された。容疑は威力業務妨害である。新宿区内のCD販売店で行われていたロックバンドグループのアルバム発売記念イベントに乗り込み、「責任者を出せ。この野郎、ぶっ殺すぞ!」などと怒鳴り、イベントを妨害したという。

騒動があったのが6月20日なので、逮捕は4ヵ月後。本人は、「でっちあげだ」と容疑を否認しており、朝堂院が関わった事件を見据えた「別件逮捕」ではないかと思われた。

証拠が残されている。朝堂院が主宰する「インターネット放送局」である。

「報道規制のないインターネットならではのニュースや政治、経済、環境問題、日本のあらゆる問題、原発、エネルギー問題、芸能界の闇、海外事件などを、時にはスペシャルなゲストを招いて情報発信」

番組を伝える惹句にはこうあるが、確かに朝堂院は、番組のなかで為政者、経営者、権力者、犯罪者などの秘密を暴露、遠慮なく切りつけて糾弾する。

「報道規制がないインターネット」というが、実際にはネットも名誉毀損などを怖れて自主規制を働かせている。朝堂院の放送局は、規制やタブーを一切無視。痛快ではあるが、名誉毀損や威力業務妨害の“宝庫”であり、そういう意味では、逮捕され得る環境は整っていた。

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