グーグルCEOが英経済紙のインタビューで「デフレ不可避論」を展開!

2014年11月06日(木) 小林 雅一
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Googleの共同創業者、最高経営責任者(CEO)ラリー・ペイジ氏 〔PHOTO〕gettyimages

デフレを導く大きな潮流

もっとも筆者ごときがこんなことを言ったところで、誰も聞く耳を持たないだろう。が、グーグル創業者のラリー・ペイジ氏が同じことを言ったとしたら、どうだろうか? もちろん同氏が名指しで黒田氏や日銀を批判するはずもない。しかし最近、英フィナンシャル・タイムズ紙とのインタビューでペイジ氏が述べたことは、事実上、今の日本の経済政策を批判しているのに等しい。

●"FT interview with Google co-founder and CEO Larry Page" FINANCIAL TIMES, October 31, 2014

上記インタビュー記事の中でペイジ氏は、デフレはITのような画期的技術がもたらす不可避の現象だと説いている。もちろん、この主張自体は特に目新しいものではない。つい数年前まで、日本でも家電量販店で果てしなく値崩れする薄型テレビやパソコンなど、一部のIT製品がデフレの一因であるとされた。

が、今、ペイジ氏が指摘するのは、それらとは比べ物にならないほど大きな潮流だ。「AI(人工知能)」や「自動運転車」、「サービス・ロボット」など広範囲の産業へと拡大する次世代技術によって今後、膨大な数の人々が職を失い、持ち家などの資産価値は下落し、モノの値段は下がり、巨大なデフレ・スパイラルが起きるという。

「それが来ないでくれと人々が願ったところで、来るものは来る。デフレは、技術が社会の非効率性を排除する中で、論理的に必然の帰結なのだ」とペイジ氏は上記インタビューの中で述べている。

一方でペイジ氏は「デフレの良い面を見ろ」とも主張する。たとえばサンフランシスコ近辺では今、100万ドル(1億円以上)もする住宅が珍しくないが、デフレが進めば「都市部でも家が5万ドル(500万円程度)で買えるようになる。これが本来の適正価格であって、むしろ今までが間違っていたのではないか」とペイジ氏は言う。

「それでは、まるで経済を知らないアマチュアの意見ではないか」とエコノミストは反論するだろう。確かに、そうかもしれない。が一方で、ペイジ氏はこの世界を実際に動かす力を持っている。グーグルは今、自由に動かせるお金を620億ドル(約6兆9,000億円)も蓄えているという。「正しい目的と用途に注力すれば、この世界で変えられないものはない」とペイジ氏は語っている。

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