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マーケットや資産運用に興味がある人にとって年金は常に関心の対象だ。しかし、経験的にいって『日本経済新聞』の朝刊一面トップに載る年金関係の記事は、事実内容としては「こういう考えを持っている人が政府(主に官庁)にいる」というだけの「観測記事」が多い。今回の確定拠出年金に関する記事もその類だろうかと心配なのだが、非常に意欲的な内容だった。

確定拠出年金は個人にとってメリットが大きい

記事は2本出て、共に日経の一面トップに掲載され、何れも意欲的な内容だった。

10月15日の記事は、確定拠出年金の加入対象を拡大するというもので、これまで対象外だった公務員と主婦も加入対象にすることが特に注目出来る。また、勤め先の企業に確定給付型又は確定拠出型の企業年金がある場合でも、別個に個人型の確定拠出年金に加入出来るようにするという内容も含まれている。

もう1本の記事は、確定拠出年金の掛け金上限を年収の10%~20%程度に、年収に比例する形で引き上げるというものだ。こちらは、現在、企業型で一月5万5千円、個人型で最大6万8千円である月額の掛け金を、年収に応じて引き上げることを可能にすることが検討対象だ。

確定拠出年金は、掛け金が所得控除されることと、運用期間中の運用益が非課税になることの2つの大きな税制上のメリットを持った資産運用手段だ。特に、前者のメリットは大きく、今年導入されたNISA(少額投資非課税制度)よりも、確定拠出年金の方が、個人にとっては遥かにメリットが大きい場合が多いと言える。

しかし、税制上のメリットが大きいということは、税収と税金に絡む権限の両方に影響する制度変更となるので、国税当局及び財務省が同意しないと前に進まないので、厚労省がいくら制度改正に前向きになっても、この点が障害になる心配があることは頭に入れて置きたい。

職域加算をどうするかが検討課題

さて、二つの制度改正方針のうち、インパクトが大きく且つ是非とも、そして早く実現して欲しいのは、確定拠出年金の加入対象者の拡大だ。税制当局との交渉が絡む掛け金枠の拡大は後回しにしても、こちらは是非実現して欲しい。

日経の記事では、現在「企業型」「個人型」の二種類ある確定拠出年金のうち、個人型の普及を大幅に進めることを検討するようだ。

公務員は、共済年金に加入している。共済年金は、来年10月に厚生年金と「年金一元化」が行われることが決定していて、いわゆる一階・二階部分の条件が厚生年金と統一される。これに伴い、これまで三階部分に相当していた職域加算をどうするかが検討課題になっているが、筆者は、この部分を確定拠出年金化することが望ましいと思っている。

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