干場の究極ワードローブ! キーワードは"エコラグ"
第8回 インコテックスのグレーパンツ。

インコテックスのグレーパンツ

数々の男性誌に携わりながら、編集者として、ファッションディレクターとして、さまざまなアイテムを見てきた編集長の干場義雅が、40代の男性のライフスタイルを豊かにする厳選したワードローブをご紹介。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは減価償却できるので高額でも良い、しかし白シャツや白い無地のTシャツのように常に白いまま着たい消耗品は、高額なものよりコストパフォーマンスを重視した方が経済的だと言います。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」「移り変わる流行よりも普遍的で美しいものを」。干場が掲げる哲学を突き詰めていくと……、ブルース・リーが提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック・モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的かつ無駄のない、シンプルで美しいスタイルが浮かび上がってきます。足ることを知れば、自ずと本質的なワードローブが揃うのです。第7回はコチラ。

絶対に持つべき“エコラグ”の中核アイテム、インコテックスのグレーパンツ

働き盛りのビジネスマンにとって、持っていなければいけないアイテムのひとつがグレーのパンツです。ビジネスに欠かせない白やライトブルーのシャツ、ネイビーやブラック、ブラウンのタイ、ネイビーやブラック、ブラウンやベージュのジャケットなど、合わないものを見つける方が難しいほど完璧なユーティリティ プレイヤーだからです。

とにかく1本持っていると重宝する便利なパンツなのですが……、最終的にはライトグレー、ミディアムグレー、チャコールグレーの3段階の濃度違いで、さらには春夏、秋冬で素材を変えて計6本持つことをお勧めしたいです。とはいえ、いきなり6本揃えるのはハードルが高いという方もいらっしゃると思います。とあれば、まずは春夏用と秋冬用の素材で、グレーの中でも一番汎用性の高いミディアムグレーを2本購入することをお勧めします。もしもその次に揃えるなら、春夏用にライトグレーを1本、秋冬用にチャコールグレーを1本揃えていただき4本に。ひとくちにグレーとはいっても、やはり季節に似合うグレーがあります。冬の寒い時期に薄いグレーを着るのは寒々しく見えますし、逆に夏の暑い時期に濃いグレーを着るのは暑苦しく見えるのです。ですので、徐々に揃えていただき、最終的に6本揃えていけば“エコラグ”のワードローブとしては完璧なのです。

では、ここからはグレーのパンツの選び方についてレクチャーします。グレーのパンツを購入する際に1番重要なことは、なんといっても素材です。洋服も料理と同じように、やはり素材が良くなくては、本当に美味しいものを作ることはできません。ですから、春夏であれば通気性が良く涼しいサマーウール。秋冬であればカシミア混であったり、ややフランネルのようなウールを選べば、つねに心地よく穿きこなすことができます。そして、パンツも頻繁に穿き、酷使しがちなアイテムですから、できるだけ目が詰まっている丈夫な素材を選ぶことが大切です。目が詰まっていると、丈夫なだけでなく、クリース(折り目)が綺麗に残り、膝も出にくいのです。ですから、なるべく打ち込みのしっかりした生地を選びましょう。最近では「トラベラー」というラインのように、ストレッチが効いた出張用のトラベルシリーズも豊富にリリースされていますので、出張や旅行など移動の多い方には、そんなタイプを選ぶことをお勧めします。

さて、最後はシルエットのお話。シルエットは、裾に向かって細くなるテーパードラインのものを選ぶと良いでしょう。裾をダブルに仕上げる場合はダブル幅4.5cmを基本として、身長が180cmを越えている方なら5cm、165cmなら4cmにアレンジしてみると良いでしょう。裾幅も基本は19cmと言われていますが、最近ではもっと細くなっているものも出てきています。例えば、17cmぐらいの裾幅に仕上げれば、今どきなモダンなシルエッ トで穿きこなすことができるのです。ちなみに干場の場合は、身長177cmなので、裾幅17cmで、ダブル幅4.5cmに仕上げています。

とにかくベーシックで汎用性が高く、シンプルかつ美しいスタイルを形成するのに欠かせないのが、このグレーのパンツです。早めに6本揃えて、究極のワードローブを完成させてみてはいかがでしょうか?

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE

エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。

干場義雅
FORZA STYLE編集長

数々の男性誌に携わりながら、編集者として、ファッションディレクターとして活動。2010年に独立後は、新聞、テレビ、雑誌、ラジオなどメディアの枠を超えて多方面で活躍中。