米国でエボラ対策にロボット導入を検討中!?
ダラスで発見されたエボラ感染者のアパートを消毒する作業員 〔PHOTO〕gettyimages

ダラスやニューヨークなど都市部でエボラ感染者が出る中、米国の科学者たちが感染拡大を食い止めるためにロボットの使用を検討し始めている。

●"Scientists Consider Repurposing Robots for Ebola" The New York Times, OCT. 22, 2014

上記NYT記事によれば、来月7日にカリフォルニア大学バークレイ校をはじめ米国内の4ヵ所でロボットをエボラ対策に使うための会議が開かれる予定だという。議題は明らかにされていないが、恐らくは「看護師など人間に代わってロボットがエボラ患者と接触し、その排泄物や脱いだ衣服などを安全に処分することは可能か」といったことが話し合われる見込みだ。

災害対策ロボットを患者対応に転用

先回りして結論を言ってしまえば、現時点でそのような事ができるロボットは地球上に存在しない。科学者たちがエボラ対策への導入を検討しているロボットは、現在DARPA(米国防高等研究計画局)が進めている「DRC(ダーパ・ロボティクス・チャレンジ)」のような災害対策用ロボットだ。

元々、原発の事故現場など危険な場所で作業することを念頭に開発された、これらのロボットは基本的にヒューマノイド(人型ロボット)であり、人間のように道具を操ったり梯子を登ったり、あるいは自動車を運転できたりもする。こうした器用な汎用ロボットを、エボラ熱に感染した患者への対応に応用できないかと科学者たちは考えている。が、現時点でこれらのロボットにそこまでの実力はない。

昨年12月、米フロリダ州の自動車レース場で開催されたDRC予選競技会には日米韓をはじめ世界の大学や研究機関、企業などから最先端の次世代ロボットが出場したが、いずれの動きも非常に鈍く、たとえば高さ3メートルの梯子を登り切るまでに10分近くの時間を要した。中には競技の途中で止まったまま動かなくなるロボットもあり、とてもエボラ患者の介護ができるレベルにないことは一目瞭然だ。

恐らく科学者たちもそれを承知の上で、「このまま何もしないで手をこまねいているよりは・・・」という気持ちで会議を開くことにしたのだろう。それに最先端のニューラルネットやそれを1チップ化した特殊なプロセッサを搭載すれば、今後ロボットの性能が急激にアップする可能性も残されており、全く箸にも棒にもかからない話というわけでもない。

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