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黒田博樹(ヤンキース)の「カープ愛に」感動した! いつでも戻れるように「複数年契約」は結ばない 年俸が5分の1になっても構わない ——心にいつも赤ヘルを

2014年11月08日(土) 週刊現代
週刊現代

〈我々は共に闘って来た 今までもこれからも… 未来へ輝くその日まで 君が涙を流すなら 君の涙になってやる  Carpのエース黒田博樹〉

詰めかけたのは、現在のような「カープ女子」と言われるファンではない。長年、カープを応援し続けてきた男たちが、普段は野次ばかりの男たちが、野太い広島弁で黒田への感謝を叫んでいた。

その瞬間、黒田はカープ残留を決意した。

残留会見での黒田の言葉は、いまでもファンの間で語り草になっている。

「他球団のユニフォームを着て、広島市民球場でカープのファン、カープの選手を相手にボールを投げるのが、自分の中で想像がつかなかった。僕をここまでの投手に育ててくれたのはカープ。そのチームを相手に、目一杯ボールを投げる自信は正直なかった」

'07年オフにはかねてからの夢だったメジャーへ旅立ったが、いまでもファンの気持ちは変わっていない。

熱狂的なカープファンとして知られる、アナウンサーの山中秀樹が語る。

「メジャー挑戦には納得していますよ。あの頃、カープは暗黒時代で黒田には苦労をかけましたから。裏切り者なんていう意識は一切ありません。

カープはFAで選手が出て行くばかりで、帰ってきてくれる選手なんていない。それだけに、黒田が帰ってきてくれたら涙が出るくらい嬉しいですよ。来季はマエケンも残留するようですし、黒田が帰ってくれば、こんな素敵なダブルエースはないです」

今オフも、背番号「15」を空けて、カープは黒田にラブコールを送っている。提示年俸は、現在の黒田の年俸の5分の1にも満たない、3億円。常識的に考えれば復帰は絶望的だが、これまでの野球人生を見れば、黒田にとってカネの多寡はまったく関係ないことは明らかだ。

カネではなく、義によって動く男、黒田博樹。この男ならきっと、カープに帰ってきてくれるだろう。(文中敬称略)

「週刊現代」2014年11月1日号より

 

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