スポーツ

黒田博樹(ヤンキース)の「カープ愛に」感動した! いつでも戻れるように「複数年契約」は結ばない 年俸が5分の1になっても構わない ——心にいつも赤ヘルを

2014年11月08日(土) 週刊現代
週刊現代

メジャー挑戦を続けるべきか、それとも広島に帰るべきか。いま黒田は、愛ゆえに悩んでいる。莫大な年俸を得たいまでも、忘れられないのだ。球団の温かさを、ファンの熱気を、育ててくれた恩義を。

戦力として帰りたい

「最後は広島カープで」

遠くニューヨークの地にあって、そう公言し続けている男がいる。

黒田博樹、39歳。

'12年にドジャースからヤンキースへ移籍し、5年連続の二桁勝利。今季の年俸は、16億円にまで上る(年俸は推定・以下同)。

もはや日本球界に、ましてや広島の貧乏球団に戻る必要など一切ない。

それでも黒田は、いまでも心に「赤ヘル魂」を持ち続けているのだ。

黒田が広島に復帰するかどうかは、今オフの移籍市場でも、大きな注目を集めている。というのも、元々尋常ではなかった「広島愛」が、いよいよ高まってきているからだ。

8月に広島市で起きた土砂災害。一報を聞きつけるや、黒田は真っ先に義援金を送った。

「大恩ある広島を思ってのこと。美談にされたくはない」という本人の希望から、その金額は非公表だった。しかし関係者の間では「1000万円は下らない」と言われており、黒田の行動は広島市民の胸を打った。

それだけではない。黒田は契約更改の場でも、愛を示す。

「メジャーの球団関係者が、『ありえない』と口をそろえることがあります。それは、黒田が複数年契約を蹴ることです。その始まりは、'08年にドジャースに移籍したとき。ドジャースは、4年50億円の大型契約を提示した。しかし黒田は、それを『3年にしてくれ』と言ったのです。それだけではありません。'12年のヤンキース移籍のときも、単年契約を希望。そして昨年と今年も、単年を自ら選びました」

メジャーに限らず、プロ野球選手は通常、複数年契約を望む。当たり前だが、複数年ならば、その年数だけ年俸が保証されているからだ。

しかも黒田の場合、提示されているのは、十数億という目もくらむような大金での複数年。しかし黒田は毎年、「何もしなくても十数億」という誘惑を断って、単年を選んでいる。

その理由は他でもない。いつでもカープに戻れるようにするためだ。

黒田の前の時代に、カープのエースとして活躍した佐々岡真司が言う。

1
nextpage


Special Feature
最新号のご紹介