『若者のすべて 1980~86「週刊プレイボーイ」風雲録』より【第4回】 ~第2章 就職戦線異状なし~

【第3回】はこちらをご覧ください。

第2章 就職戦線異状なし

「日本の首相は?」

「鈴木首相」

「日本の首都は?」

「東京」

中村さんが、バカでもわかる一般常識を、新聞見ながら、つーか、見なくてもできるような質問を連発していた。

そこは1980年9月。WPB編集部のある集英社九段ビルの地下にある、集英社専用の喫茶店だった。この日はアイスコーヒーを飲みながらの特訓だった。

あの地獄の学生プロレスの入稿が終わった後に、中村さんから電話があった。

「コミネさ、就職どーすんの?」

「地道に会社員を目指しています」

と俺は答えた。

俺んちの親父は、とにかく厳しくて怖い。少しでも反抗すれば、パンツ一枚で厳寒の冬の日でも近くの橋からロープで逆さ吊りにされたもんである。身長が親父を超す中1の冬まで逆さ吊りにされていた。お蔭様で、今の俺は寒さに強いオッサンになった。
 

若者のすべて 1980~86「週刊プレイボーイ」風雲録』
著者= 小峯隆生
講談社 / 定価1,728円(税込み)

◎内容紹介◎

80年代の若者雑誌といえば、「ホットドッグ・プレス」、そして100万部を発行し社会現象にもなった「週刊プレイボーイ」である。伝説の編集長・島地勝彦氏は現在エッセイストとして活躍中、当時の編集部の多士済々ぶりはNHKスペシャル「全身編集長」としてドラマ化され話題となった。当時のWPB軍団はどんなドタバタの日常を送っていたのか、また編集者たちは何を考え、何を求めて企画をつくっていたのか---本書は80年代にその編集部で青春を過ごした一人の若者の、夢と欲と野心の物語である。

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