『若者のすべて 1980~86「週刊プレイボーイ」風雲録』より【第3回】 ~第1章 パイレーツ オブ 九段~

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第1章 パイレーツ オブ 九段(つづき)

9月2日、火曜日、午後3時。

その前日の月曜日に中村さんから電話があって、この時間に「取材した物を持参して、編集部に来い」と言われた。

いつものように、海賊のアジトのような雰囲気には変わりなかった。

編集部に入ると、中村さんが奥の方から手を振っていた。

そこに行くと、普通の机ではなくて、表面がガラス板で、その下にライトが内蔵された机があった。お医者さんがレントゲン写真を見る時に使うものの机版だ。

ライトテーブル。その後、度々お世話になる机である。

「おー、コミ坊、よく来た」

「今日は、なんすか?」

「入稿だよ」

「えっ?」

「週刊誌なんだから、入稿しないと記事ができないんだよ」

「そうなんですか。えっと、まずこれを」

俺はショルダーバッグから、白い封筒を出した。
 

若者のすべて 1980~86「週刊プレイボーイ」風雲録』
著者= 小峯隆生
講談社 / 定価1,728円(税込み)

◎内容紹介◎

80年代の若者雑誌といえば、「ホットドッグ・プレス」、そして100万部を発行し社会現象にもなった「週刊プレイボーイ」である。伝説の編集長・島地勝彦氏は現在エッセイストとして活躍中、当時の編集部の多士済々ぶりはNHKスペシャル「全身編集長」としてドラマ化され話題となった。当時のWPB軍団はどんなドタバタの日常を送っていたのか、また編集者たちは何を考え、何を求めて企画をつくっていたのか---本書は80年代にその編集部で青春を過ごした一人の若者の、夢と欲と野心の物語である。

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