「官僚より官僚」のプリンス・宮沢経産大臣は、
傾きかけた安倍政権を立て直せるか

小渕優子前通産相辞任で「遅れてきたプリンス」にチャンスが  photo Getty Images

女性登用という内閣の看板政策の象徴だった小渕優子経済産業大臣が「政治とカネ
の問題」で辞任し、後任に自民党税制調査会の副会長だった宮沢洋一氏が抜擢され
た。

世が世なら総理の逸材

宮沢氏は叔父の喜一氏が首相、父の弘氏が法務大臣を務めた人物だ。毛並みの良さでは、安倍晋三首相や麻生太郎財務大臣(元首相)にも引けを取らない。大蔵官僚時代は首相秘書官にも抜擢された政策通で、政治手腕も一流だ。宮沢氏と同世代のジャーナリストの中には「世が世ならば、総理大臣になってもおかしくなかった逸材」(民放幹部)と評する声もある。

しかし、選挙に弱い。3期連続で保持した衆議院の議席を、自民党が圧勝した2005年の政権交代選挙の逆風の中で失う苦渋を舐めた。参議院議員として国政復帰を果たしたものの、機を逸した感は拭えず、ポストに恵まれなかった。女性登用が目玉だった今回の内閣改造では大臣候補にさえならず、7歳年下の従弟で外務大臣に留任した岸田文雄氏に政治家として差を付けられた格好で、“出遅れたプリンス”に甘んじていた。

そんな宮沢氏が、突然椅子の回ってきた経済産業大臣として挑まなければならない懸案は2つ。福島第一原子力発電所の事故以来のその場しのぎがたたってきた原発・エネルギー問題と、国民生活に直結する消費増税・法人減税問題だ。いずれも、日本の国民経済のためにも、陰りが見え始めた安倍政権の再浮揚のためにも失敗が許されない重い課題である。