中国
北京APECで日中首脳会談が開催される可能性は低いと見る5つの理由
〔PHOTO〕gettyimages

日本では、11月10日に開催される北京APEC(アジア太平洋経済協力会議)で、安倍晋三首相と習近平主席が日中首脳会談を開催し、日中関係が好転するとの機運が高まっている。だが私は、現段階において、APECで日中首脳会談が開催される可能性は低いと見ている。それは主に、以下の理由からだ。

習近平主席の「入口論」と安倍首相の「出口論」

第一に、習近平主席の性格である。これが一番大きい。

習近平主席は、アジア周辺外交を、「古代の形」に戻そうとしている。すなわち宗主国(中国)-朝貢国(周辺国)間の「冊封体制」である。

冊封体制における中国外交の原則は、「中国に頭を下げる国」には味方として施し、「頭を下げない国」は敵として扱い、冷遇するというものだ。「頭を下げる」という意味は、「中国を尊敬・尊重し、中国の要求を呑む」ということである。

現在の中国のアジア周辺外交は、この習近平主席が望む「古代の形」において進められている。例えば朝鮮半島においては、「頭を下げる」韓国には施すが、「頭を下げない」北朝鮮は冷遇する。胡錦濤政権までの「中朝血盟関係」といった目線で見ると、習近平外交を見誤るのである。

日本に関しては、習近平主席はこの一年半、一貫して同じことを主張している。

「第一に、日本の首相・外相・官房長官が靖国神社に参拝しないと確約する。第二に、日本が『尖閣諸島は両国間の領土の紛争地域である』と認める。この二点を確約できるなら、日本との友好関係を進める」

一方、安倍首相も、少なくとも表向きは、一貫して同じことを主張している。

「習近平主席とは、前提条件なしで会談したい。日本のドアは常に開かれている」

つまり、片や習近平主席は「入口論」(入口を決めてから会う)、片や安倍首相は「出口論」(まず会って出口を探る)で、噛み合っていないのである。どちらか一方が妥協すればよいが、もし安倍首相が妥協すれば、右派の支持層が離れてしまい、安倍政権はもたない。一方の習近平主席は、「皇帝様」であるから妥協する性格ではない。となれば、やはり日中首脳会談の実現については、悲観的にならざるを得ないのである。

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