脂肪はしっかり取る炭水化物ダイエットが最良!
『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より
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カロリーにフォーカスしなくても減量できる

炭水化物を避け、たとえ飽和脂肪であっても脂肪を摂取する人は、健康関連機関が何十年間も奨励してきた低脂肪ダイエットをしている人と比べ、体脂肪をより多く減らし、心臓血管のリスクを軽減することが、新しい重要な調査によって明らかにされた。

この結果によって、長いあいだ賛否両論さまざまに論じられてきた、減量と健康全般にとって最適な食べ物とは何か、という議論が決定的に終わることにはならない。なぜなら、食物脂肪、特に飽和脂肪が有害だという考えは、何十年も前に、大勢の国民を対象とした死亡率の比較に基づいて生まれたものだからだ。

しかし、長期にわたり個人とその食習慣を評価した最近の臨床研究では、より複雑な実態が明らかにされている。その中のいくつかは、炭水化物を減らし、トランス脂肪以外の食物脂肪の摂取量を増やすことで、心臓疾患のリスクが大幅に低下するという確固とした証拠を示している。この新しい調査結果は、この方法によって体脂肪と全体的な体重が、より効率的に減ることを示唆している。

この新しい調査は国立衛生研究所(National Institutes of Health)が出資した、「内科論文集(Annals of Internal Medicine)」で発表されたものだ。これは、臨床栄養学の調査では珍しく、150人の多様な人種の男女を対象としている。対象者は1年間、食べてもよい炭水化物または脂肪のいずれかの摂取量を制限した食事をするよう割り当てられるが、全体のカロリー制限はない。

タフツ大学のフリードマン栄養科学および政策学部のダニエル・モツァファリアン学部長(この新調査には関与していない)は、「私が知る限り、これはカロリー制限のない食事に関する初めての長期的な取り組みのひとつです。これは、普通の生活のなかで炭水化物の摂取量を減らせば、カロリーにフォーカスしなくても減量できるということを示しています。カロリーを減らすよりも食べるものを変えるほうが簡単な人もいるので、これは非常に重要なことです」と語る。

低炭水化物グループの人々にみられた優れた結果

低炭水化物、高脂肪および高タンパク質のダイエットは、1970年代にロバート・アトキンス博士が広めて以来、一般的な減量法として使われてきた。これらのダイエットに対する長年の批判のなかには、こうしたダイエットは体脂肪ではなく水による減量なので、必然的に肉と乳製品をより多く食べて飽和脂肪の摂取量が多くなり、コレステロールやその他の心臓疾患のリスクが高まる、というものがあった。

この新しい調査の主執筆者である、タフツ大学の公衆衛生および熱帯医学部のリディア・A・バザノ博士は、多くの栄養士と健康関連機関は低炭水化物ダイエットに「積極的に反対するアドバイス」をしてきたとし、「それにより当然、飽和脂肪が増えることになり、コレステロールが上昇し、そうなれば、一般的に望ましくないことが起こると考えられてきたのです」と述べている。

ところがこの新しい調査で、そうではないことが判明したのだ。

1年間の実験の終わりまでに、低炭水化物のグループと低脂肪グループを比較すると、前者のほうが平均8ポンド(約3.6キロ)多く体重が減った。両グループとも物理的な活動レベルは変えなかったのにもかかわらず、低炭水化物グループには低脂肪グループよりも格段に大幅な体脂肪の減少と除脂肪筋肉量の改善が見られた。

低脂肪グループは体重は減ったものの、脂肪より筋肉のほうが多く減ったようだ。

「実際には、彼らは除脂肪筋肉を失いましたが、これは望ましいことではありません。除脂肪筋肉量と脂肪量のバランスは、体重よりもはるかに重要です。低炭水化物、高脂肪のグループが代謝面でなぜこれほど優れているかを示している点が、非常に重要な研究結果と言えます」とモツァファリアン博士は指摘する。