モバイル基幹業務アプリを狙え! 米セールスフォース15年目の挑戦
「打倒SAP」を宣言し成長戦略を解説するキース・ブロック副会長(Keith Block、Vice Chairman&President、Salesforce.com)

米クラウド業界が業界別ソリューションへと舵を切り始めた。先月末に開催されたオラクル・オープン・ワールドでは、多数のセッションが業界別のクラウド・ソリューションを取り扱っていた。一方、今月、クラウド型CRM(顧客管理アプリ)の最大手セールスフォース・ドット・コム社も「打倒SAP」を唱え、業界別クラウドを軸とする200億ドルの野心的な成長戦略を公にした。アマゾン、マイクロソフト、グーグルのパブリック・クラウド御三家が安売りを展開する中、中堅中小は価格競争を嫌って専門分野への特化を狙っている。

中小向けCRMから大企業向けクラウドへ

13日から4日間、セールスフォース社のプライベート・ショー「ドリームフォース」がサンフランシスコ市で開催された。会期中、同社副会長のキース・ブロック氏(Keith Block、Vice Chairman&President)は「打倒SAP」を宣言し、1)新サービスの積極投入、2)業界別マーケティング、3)パートナー・エコシステム、4)チャンネル・マーケティングを柱とする大胆な成長戦略を示した。

大企業向け基幹業務ソフトに強いSAP社は、製造業や流通など業界別にきめ細やかなソリューションを提供し、大手のニーズにこたえている。また、大企業はシステム・インテグレーターやVARを利用し、開発や運営面でアウトソーシングを多用する。SAPやオラクル、IBMなどのマーケティングでは、パートナーやチャンネル・リセーラーを使った販売網を強化してきた。

一方、セールスフォースは従来、中小零細企業に直接セールスをかけクライアントを増やしてきた。そのためシステム・インテグレーターとのパートナリングやVAR(付加価値事業者)を支援するチャンネル・マーケティングが弱い。

中小企業向けCRMで業績を拡大してきたセールスフォース社が、さらに成長を続けるためには、SAPやオラクルが牛耳っている大手基幹業務アプリケーション分野への参入が欠かせない。ブロック副社長が口にする4本柱の成長計画は、まさにセールスフォースが基幹業務アプリに正面から取り組むことを示している。

モバイル向け簡易開発環境「Salesforce1 Lightning」を発表するパーカー・ハリス氏(技術担当上席副社長)
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