安倍政権のメディアコントロールに対する評価について佐藤優さんはどう思われますか?

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」 質疑応答より

【質問】 (略)安倍政権のメディアコントロールは、マスメディアに対してもネットに対してもなかなか上手である、といった評価を聞いたことがあります。佐藤さんは、この見解に同意されますか。この問題に関する見方・考え方について、もし可能ならば、具体例を交えつつ解説頂けませんでしょうか。

――佐藤優さんの回答: その質問に対する答えは、イエスであると同時にノーです。マスメディアやネットのコントロールを試みる人はいます。そのような働きかけの結果、マスメディアやインターネット空間で、事実と異なった情報、歪曲された情報が流されることもあります。同時にそれに反発する情報も流れ、最終的にマスメディアやネットをコントロールしようとした人の意図は果たせません。これと同様の問題は、ナショナリズムを煽るときにも生じます。

【質問】 今月初めの北大生がシリアへ渡航しようとした際、刑法の私戦予備・陰謀の疑いで聴取された件について、質問させてください。
(略)
日本から傭兵で海外に行く人物はこれが初めてではないと思います。(経験を書籍化している人も複数います)過去にイラクで惨殺されたフリーターの青年・香田氏のことを思えば、結果的に現段階で北大生が日本にとどまったのは、不幸とも言えないのではないか・・・・・・と感じるのですが、なぜ、職業軍人でもない北大生だけに私戦予備・陰謀罪が適用されたのかが疑問です。佐藤さんの分析をぜひとも伺いたく思います。

――佐藤優さんの回答: 9月24日にイスラム国へ流入する若者の渡航制限に関する国連決議を受けて取られた措置と思います。

【質問】 中教審において、大学入試を、課外活動や学習意欲などを評価する「人物重視」に転換する議論がなされていると報道されております。このような入試になると、従来形の入試向けの学習で身につけられると思われる英文法、数学、歴史など、高校レベルで最低限習得しておくべき基本的な知識の習得が疎かにならないか心配です。このような転換は必要なのでしょうか。佐藤様のご意見お聞きできましたら幸いです。

――佐藤優さんの回答: あまり意味のない転換と思います。イギリスのグラマースクール、ドイツのギムナジウム、ロシアの一般校の教育プログラムと同等の基礎学力をつけることが重要です。学習塾を活用し、基礎教育の欠損が生じないように、御両親が目配りをすることを強く勧めます。

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol.047(2014年10月22日配信)より