「文章力は、伝達力の基本」
【第4回】書く前に、まず決めておくべきこと

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【第3回】はこちらをご覧ください。

文章を書こうと力んで、いきなり書きはじめる人は、いい文章を書くことができません。「事前に決めておかなければいけないポイント」を決めていないからです。文章を書く前に、決めておくべきこと、それはいったい何でしょうか? 何を事前に明確にしておかなければいけないのでしょうか?

それは、次の3点です。

(1)目的(その文章は、何の目的で書くのか)
(2)具体的論点(何について書くのか)
(3)結論(どういうメッセージで締めくくるか)

文章の目的を明確にしておく

ぼくたちが書く文章には必ず目的があります。仕事や出来事についての連絡するために書く文章、新製品の概要やメリットを説明する文章、クライアントを説得するための文章。あるいは、他人に見せるためではなく、自分の備忘録やメモとして書く文章もあるでしょう。

いずれにしても、あらゆる文章には目的があります。そして、それぞれの目的に合った書き方があります。目的が異なれば、異なる書き方をしなければいけません。そのため、実際に文章を書き始める前に、「自分がこれから書く文章は、何が目的なのか?」を明確に意識しておく必要があります。

「目的を意識することが大事」というのは、何事においても共通して言われることです。漠然と納得してしまいそうですが、こう言われる理由を明確にしておきましょう。文章を書く際に、なぜ目的が重要になるのでしょうか? 目的を明確にしていないと、具体的にどんなことが起こってしまのでしょうか?

なぜ「目的」が大事なのか。一言で言うならば、「伝わりやすさ」「文章の分かりやすさ」が大きく変わるからです。

目的が明確になっていない、あるいは目的通りの書き方になっていないと、読み手は「知りたい情報」にスムーズに辿り着けません。

たとえば、今日みなさんが昼休みに、カフェで休憩しようと考えているとします。そこで、この「カフェで休憩する」という事実を文章にします。

この時、「連絡」「説明」「説得」「メモ・備忘録」でどのように書き方が変わるか、また変えるべきなのかを考えてみましょう。

もし、単純に今日の出来事を伝える・連絡するだけであれば、箇条書きでいいと思います。

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12時半 会社近くのカフェでコーヒーを飲む
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これが説明となると、少し変わります。そのカフェがどこにあるのか、どのようなカフェなのかを知らない読み手に「説明」するためです。その場合は、

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会社の前の通りを駅の方へ5分くらい歩くと、小さくて古い喫茶店があります。とても落ち着いた雰囲気の店で、そこで昼休みに休憩をします。
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となるでしょう。読み手が知らない客観的な情報を付け加えなければいけないのです。

さらに「説得」は違います。「説得」とは、「まだ自分と同じような気持ちになっていない人」に向けて「自分と同じように感じてもらう、自分の感覚は正しいと感じてもらうようにすること」です。つまり「相手の気持ちを変える」のが説得です。

「今日、昼休みにカフェで休憩する」ということを「説得」するためには、「休憩することが正しい」と相手に感じてもらうことが必要です。

説得が必要なのは、「相手はまだ『カフェで休憩することが正しい』と思っていないから」です。それを「正しい」と感じるような文章を書かなければいけないわけです。

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今日の昼休みに会社近くのカフェで休憩をとります。作業はまだ完了していませんが、ケアレスミスを防ぐために、気分転換が必要だと感じています。30分程度作業はストップしますが、結果的に効率が上がると判断しています。
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一方で、他人に見せない自分用の「メモ」「備忘録」は書く要素が全く異なります。自分用のメモの場合、自分が分かればいいのです。自分が分かりきっていることは書く必要がありませんし、また他人には全く分からない暗号のような文章でも構いません。行った店が分かりきっているのであれば、店名を書く必要すらないでしょう。

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1230 コーヒー
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これは非常に単純な例です。そのため、「こんなの当たり前!」と感じるかもしれません。けれども、「分かりにくい文章」になってしまう大きな原因は、目的を明確にしていないから、もしくは目的通りの文章になっていないからなのです。

目的に合った文章を書くために、最初に「何のために書くのか?」を明確に意識しておかなければいけません。

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