小渕優子経産相の辞任
~安倍政権と特捜検察の関係の行方は?~ ほか

佐藤優「インテリジェンスの教室」 インテリジェンス・レポートより
【はじめに】
『週刊新潮』のスクープによって、小渕優子経産相が辞任に追い込まれました。週刊誌メディアの強さを見せつけられた事例です。それにしても、政治資金収支報告書の収入と収支をチェックすれば、容易に発見できる事案です。全国紙の社会部記者たちの取材能力が厳しく問われています。そして本件に対し、特捜検察がどのような対応をするかが興味深いです。

(略)

インテリジェンスでためになる映画としては、憲兵司令部指導、吉村公三郎監督、佐分利信主演の『間諜未だ死せず』(松竹、1942年)をお勧めします。文化雑誌の発行者ジャック・ノーラン(役:斎藤達雄)は、米国の謀略工作の中心人物で、新聞、雑誌を通じて情報操作を行うプロです。それを憲兵隊の武田少佐が追い詰めていくという物語です。日本軍による重慶無差別爆撃、ショウ介石派の対日謀略工作のレベルが高いことなど、戦時中の国策映画ですが、日本にとって不利になる話もかなり盛り込んでいます。現在のインテリジェンス工作にも通じる内容がたくさんあります。

分析メモ No.103「ウクライナにおけるマレーシア航空機撃墜問題」

墜落したマレーシア航空17便---〔PHOTO〕gettyimages

【事実関係】
10月19日、独誌『シュピーゲル』が、ウクライナ東部ドネツク州上空で7月17日にマレーシア航空機が撃墜された事件について、「BNDは、親ロシア派武装勢力が地対空ミサイル『BUK』を使って撃墜したと結論づけた」と報じた。

【コメント】
2.―(1)
朝日新聞デジタルは、<ロシアはウクライナ軍がミサイルを発射した可能性を示唆した。この点について長官は、ロシアの見方は「誤りだ」と否定したという>と報じており、この記事からするとドイツがロシアを批判したと受け止められることになるが、かかる見方は正しくない。

2.―(2)
ロシアのプーチン大統領は、マレーシア航空機がウクライナ軍によって撃墜されたという発言を(かかる可能性を示唆する発言を含め)、一切していない。

2.―(3)
シンドラー長官の発言で重要なのは、<衛星写真や現場周辺の写真などの分析結果から、「親ロシア派がウクライナ軍基地からBUKを奪った」と断定的に説明>したことだ。主権国家であるウクライナは、自国軍の兵器を管理する義務がある。シンドラー長官の報告は、この義務をウクライナが果たす“意志”と“能力”のどちらか一方、もしくは双方が欠けている、とドイツが認定したことを意味する。ウクライナのポロシェンコ政権にとっては、決定的な打撃となる情報である。

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