磯山友幸「経済ニュースの裏側」

消費税率の再引き上げは危険!
データで明らかになった消費の弱々しさ

2014年10月22日(水) 磯山 友幸
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財務省や経団連の「増税プレッシャー」に負けないでほしいが・・・  photo Getty Images

日本百貨店協会が10月20日に発表した9月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後の前年同月比で0.7%の減少だった。8月は0.3%の減少だったから、わずかとはいえ、減少率が大きくなり悪化したことになる。

消費の伸び自体が止まった!?

同協会では「前年に比べ日曜日が1日少なかった」ことが影響しているとし、「休日減少分を勘案すれば実質プラスであることから、消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動は和らいできている」との楽観的な見方を示していた。

だがデータを見る限り、消費に「力強さ」は戻ってきていない。単に消費増税を控えた駆け込み需要と、その反動減が落ち着いてきたということだけではなく、消費税率が5%から8%に引き上げられたことで、消費の伸び自体が止まってしまった可能性が見て取れる。

駆け込み需要が大きかった3月は全国百貨店の売上高は25.4%も増えた。一方その反動で4月は12.0%減少した。この3月と4月はイレギュラーだが、この増税をはさんだ前後で明らかにムードが変わっている。アベノミクスが始まって以降、売上高の伸び率は今年2月までは2%台の増加を記録する月が多かったが、5月以降はマイナスが続いているのだ。8月は0.3%減、9月は0.7%減と、ほぼ前年並みに戻ってきたとは言うものの、前年を超えて伸びる「勢い」がまだまだみえないのだ。

そうした傾向はハンドバッグやアクセサリー、靴など「身の回り品」に鮮明に表れている。増税前は4~6%の伸びを示す月が目立ったが、増税後はマイナスに転じている。8月の「身の回り品」は1.6%増と5ヵ月ぶりにプラスに転じ、これで再びプラスが定着するかと思われたが、9月は再びマイナスに沈んだ。

身の回り品は圧倒的に女性によって支えられている部門だけに、消費の動向を如実に反映する。ボーナスや残業代が増えて財布にちょっとした余裕が生まれると売り上げが伸び、逆に、不景気風が吹き始めるとまっ先に減らされる。そういう意味では、消費増税の影響がジワジワと出ていることを鮮明に表しているのかもしれない。

もうひとつ「食料品」にも消費の「変化」が見える。食料品の売り上げは3月まで8ヵ月連続でプラスが続いていたが、4月以降6ヵ月連続でマイナスになった。食料品は買いだめがなかなかきかないものが多く、駆け込みと反動の影響がそれほど出ない部門だ。

それでも3月には5%増、4月は4.7%減と増減したが、5月以降は「平準化」した結果、マイナスに沈んでいる。円安による輸入食品の価格上昇で、食料品部門の金額は底上げされているとみられるが、それでもマイナスから脱却できないのは、明らかに消費増税で消費者の財布のひもがしまっていることを示している。

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