町田徹「ニュースの深層」
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核燃料の「最終処分実験」18年の現場ルポ
早急な計画見直しが原発再稼働には不可欠

2014年10月21日(火) 町田 徹
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「瑞浪超深地層研究所」高速エレベータで地底300mに降りると細長いトンネルが現れた(筆者撮影)

奈落に落ちる――。

そんな感覚にとらわれながら高速エレベーターで超深地層の地下300mの世界に降り立った筆者の目の前に、硬い花崗岩の地層をくり抜いた細長いトンネルが現れた。ここは岐阜県瑞浪市。独立行政法人・日本原子力研究開発機構(JAEA)が、“核のゴミ”を処分する場所や方法を探る実験を進める「瑞浪超深地層研究所」の心臓部である。

18年たっても「核のゴミ問題」対策は進まず

誤解されがちなので触れておくが、この研究所には“核のゴミ”は一切持ち込まれていない。最終処分地を選定したり、実際の処分を始めたりする時に備えて、あらかじめ必要になりそうな技術を蓄積している研究所だ。

歳月の流れるは早い。瑞浪市が所有する土地を賃借して瑞浪超深地層研究所が建設され、最終処分に向けた実験を始めたのは1996年のこと。それから早くも18年が過ぎ去った。

問題は、その18年間という時間を無駄にしたことだ。

原子力行政は問題の先送りを続け、具体的な核のゴミの処分策作りが進まなかった。それにもかかわらず、各地の原発は運転を続け、使用済み燃料は溜り続けている。これが「トイレなきマンション」と原発が批判されてきた所以である。

政治資金管理の杜撰さがきっかけで、原発政策を職責とする小渕優子経済産業大臣が辞任することになった影響は不透明だが、いつまでも避けていられないのが、核のゴミの処分問題だ。

原発再稼働に反対する人もいるだろう。が、再稼働をやめても、使用済み燃料を処分せず放置することはできない。残念だが、これが現実だ。いつになったらJAEAが蓄積した知見が活かされる日が到来するのかに、我々は無関心ではいられないのである。

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