【舛添都知事日記】パラリンピック成功の条件である「ノーマライゼーション」の考え方
国際パラリンピック委員会 フィリップ・クレーブン会長(中央)〔PHOTO〕gettyimages

ハード、ソフト両面で最善を尽くす 

10月16日、国際パラリンピック委員会(IPC)のフィリップ・クレーブン会長が、都庁に来られ、親しく懇談した。バスケットボールのパラリンピック・メダリストである氏とは、2020年のパラリンピックを成功させるという強い決意を共有することができた。ハード、ソフト両面で、知事として最善を尽くすことを約束した。

障害者であるクレーブン会長は、「パラリンピック選手は、身体の不自由なところを気にするよりも、使える部分を最大限に活かすことを考えている」と強調したが、これほど勇気づけられる言葉はない。それは、ノーマライゼーションの思想をみごとに表現しているからである。

ノーマライゼーションとは、障害者であっても、健常者と同じように生活する権利があり、それを可能にするような条件を整えるべきであるという考え方である。この思想を世界で初めて提唱したのは、デンマーク社会省のニルス・エリク・バンクミケルセンである。彼は、知的障害者が劣悪な隔離状態に置かれていることに衝撃を受け、その環境改善に尽力し、1959年にはノーマライゼーションの考え方を取り入れた法律の制定にまで漕ぎ着けたのである。

この思想は、スウェーデンのベンクト・ニリエによって、さらに推進され、ノーマライゼーション原理として世界中に波及していった。そして、1971年には国連知的障害者権利宣言、1975年には国連障害者権利宣言、1981年には国際障害者年へと発展していった。今では、社会福祉の基本原理の一つとなっているが、それは具体的には3つの柱からなる。