1日200件発生する「心停止」の課題解決へ---共助社会の実現を目指すアプリ「AED SOS」

佐藤 慶一 プロフィール

「位置情報や命に関する情報に対して最大限の責任を持つ」

大きな課題解決に取り組むコエイドは資金調達ではなく、クラウドファンディングで共感とお金(開発・運営費)を集めた。7月に「READYFOR?」でプロジェクトを立ち上げ、9月末までに278名の支援者から300万円以上の支援を募ることに成功した。

「AED SOSという仕組みに共感し、アプリをインストールし、救命知識をもち、緊急時に利用するユーザーがいないと課題解決になりません。まだまだ現場や法律でのハードルはあります。クラウドファンディングを通じて、同じ思いや課題に対する共感のムーブメントを起こすことで、ハードルを乗り越えたいと思いました」(玄正氏)

位置情報や命に関する情報を扱うため、実証実験が欠かせない。来年1月には、京都大学環境安全保健機構附属健康科学センター・石見拓准教授による監修・協力のもと、アプリが活用された場合にAED到着時間がどれだけ短縮できるかを調べる実証実験をおこない、研究成果は学術論文として京都大学より公表される予定だ。人口密度や高低差によっても疲労度や移動時間が違い、アプリの効果も違うため、検証を重ねながら現状や将来の課題を明らかにしていく。

また、来年3月にアプリ(iOS/Andoroid)をリリース予定で、4月には一部の自治体の消防指令センターと協働した実証実験をおこなう。SOS管理システム搭載したタブレット端末を提供し、消防との連携をもって、誤報を回避し、正確な情報取得・提供を目指す。スピード感をもったシステムづくりに向け、エンジニア募集も積極的におこなっている。

ここまで記したように、AED SOSが積み上げなければならないものは多い。しかし、実社会において有効に機能するものとなれば、緊急時に周囲の人が救ってくれるという安心感につながる。AED SOSは心停止者を救うとともに、将来的には共助社会の実現に寄与していくのだろう。