1日200件発生する「心停止」の課題解決へ---共助社会の実現を目指すアプリ「AED SOS」
(右)玄正慎氏、(左)小野哲生氏

「心停止」は年間7万件以上発生、9割が亡くなる

9月9日の「救急の日」からほどなくして、大きな社会問題について話を聞くことがあった。日本において年間7万件以上(1日約200件)*起きている「心停止」だ。

今回紹介するCoaido(コエイド)株式会社は、「ITとデザインの力で当たり前に心停止者の命が助かる未来を作る」というミッションを掲げ、人命救助応援要請アプリ「AED SOS」を開発している。コエイドは造語で「共に救助する」という意味。CEOの玄正慎氏、取締役を務める小野哲生氏に話を聞いた。

AED SOSは、「スーパーハッカソン2013 in Summer」における「○○における20秒の問題を解決する製品」というテーマのもとで生まれたアイデア。そのほかのハッカソンでも次々受賞し、評価を受けたことで実現化に向けて動き出した。

AED SOS

開発の背景には大きく複雑な社会課題がある。心停止者の生存率は、何も処置をしなければ1分で10%低下する(=10分で亡くなる)にもかかわらず、119の通報から救急車到着までの時間は全国平均で8.3分後となっている。また、救急車到着までに心臓マッサージとAEDでの電気ショックをおこなえば生存率は4倍に向上するが、AEDの使用率はたった3.7%*だ。そのため、9割が亡くなっている。

アメリカには「PulsePoint(パルスポイント)」 という先行事例がある。救急システムと連携しており、911通報を受けた消防が住所近くの救助者のスマートフォンに通知を送信し現地への駆けつけを促すサービスだ。

AED SOSは、スマートフォンの位置情報や通知・地図・通話機能などを活用し、緊急時に近くで起きた心停止の発生場所を通知し、最寄りのAEDの設置場所もアプリのマップ上に表示させ、通話により心停止者発生現場の情報を伝達して現地への救助支援を促すというもの。緊急時におけるAEDの使用や心肺蘇生をおこなうことで生存者を増やす。来年3月のリリースに向けて開発中だ。

*総務省消防庁 平成25年版 救急救助の現況