特別レポート 海を渡ったスポーツ天才少年たち
誰もが錦織圭になれるわけじゃない その光と影

週刊現代 プロフィール

玉乃氏は18歳でJリーグに戻ってきた。スペインでは外国人がプレーできないリーグに属すことになったという理由もあるが、1部リーグに昇格する自信がないという諦念もあった。そして、25歳というわりと若い段階でJリーグも引退した。その後はカナダに留学したり、サッカーの解説をしたり、不動産関係の会社に勤めたりとさまざまなことに挑戦している。

「若いころに留学を経験したことで、環境を変えることを恐れなくなりました。でも逆に言うと、腰を据えて一つのことに取り組むことが苦手になってしまった。サッカーで試合に出る以上の興奮をなかなか味わえないので、なにをやっても物足りないんです……」

人生のすべてを賭けて海を渡るスポーツ天才少年たち。錦織のような一部の例外を除けば、大半は20歳になる前に帰国を余儀なくされ、「元」天才少年としてその後の人生を歩むことになる。その苦悩が、なんらかの形で彼らの人生の糧になっていると願いたい。

「週刊現代」2014年10月25日号より