メディア・マスコミ
新聞の活路は「思考型スクープ」にある! お手本は毎日の連載企画「老いてさまよう」
新聞週間特集面で連載企画「老いてさまよう」を振り返る毎日新聞

認知症の実態を世間に知らしめた「老いてさまよう」

新聞週間(今月15~21日)に各紙が朝日新聞の誤報問題に焦点を当てるなか、毎日新聞は15日付朝刊で自らの新聞協会賞受賞作「老いてさまよう」を振り返る特集を組んだ。

「自画自賛」と批判する人もいるかもしれないが、「老いてさまよう」は価値ある連載企画であり、振り返る意義はある。米ニューヨーク大学教授でジャーナリズムの論客であるジェイ・ローゼン氏が挙げるスクープ4形態のうち、同氏が高く評価する第4形態の「思考型スクープ(ソートスクープ)」に合致するからだ。

「老いてさまよう」は認知症のため行方不明となったり、保護されても名前が分からず身元不明者となったりしている人たちの実態に迫るルポだ。「太郎」という仮名で2年以上も施設で暮らしていた男性の存在を報じるなど、生々しいヒューマンストーリー(人間物語)を軸にしている。

この意味で、7月25日公開の当コラムで取り上げた朝日の記事「無戸籍 存在隠され17年」と同じフィーチャー記事である。「無戸籍」が無戸籍・不就学の子どもの実態を明らかにしたように、「老いてさまよう」は認知症による行方不明・身元不明の実態を明らかにした。いずれもこれまで見逃されていた問題を地道な取材を通じて浮き彫りにし、世間に知らしめたという点で、調査報道と変わらない。

新聞週間特集面の見開き2ページを読者の声で埋める朝日新聞
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