佐々木俊尚「ブレイクスルーな人たち」
2014年10月18日(土) 佐々木 俊尚

nanapi古川健介【第2回】「誰が言ったかより何を言ったか」が重視され、コンテンツの質が問われる時代になる

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KDDIにHow toサイト「nanapi」を売却した(10月16日発表)ことで話題となっている株式会社nanapi代表取締役の古川健介氏。nanapiをUU(ユニークユーザー)月間2500万人までに育て上げ、海外向け情報サイト「IGNITION」やQ&Aアプリ「アンサー」を次々にリリースし、常に新しいアイデアを世に問うている。ジャーナリスト・佐々木俊尚氏がnanapiの目指す場所、海外進出、Web2.0、そして古川氏ならではのコンテンツ論について切り込んだ(8月18日収録)。<構成/田中裕子>

⇒第1回はこちらからご覧ください。

nanapiにも新聞記者の応募がくる時代に

佐々木 けんすうは、最近のメディアの状況をどう見ていますか?

古川 海外は面白いですね。ようやく、ネットメディアとオールドメディアの人材交流が始まりました。元新聞記者がスキルを活かしてネットでも価値を出し始めた。いよいよちゃんとしたネットメディアが立ち上がるな、という感じです。

佐々木BuzzFeedにウォールストリートジャーナルの記者が移籍したりしましたしね。

古川 うちも、ここ3ヵ月くらいで元新聞記者の応募がくるようになったんです。IGNITIONを見て、「こういうのがやりたかったんだ」と言って来てくださる方が多いですね。

佐々木 へえ、それは興味深い。たしかに、この10年で新聞社を辞める人は増えてきましたよね。僕が1999年に毎日新聞を辞めたときは「気でも狂ったか」って言われたものだけど(笑)。だって、「社会部の記者が転職以外で7年ぶりに辞めた」って言われたんですよ。

古川 7年ぶりですか! それはすごいですね。

佐々木 2000年中盤から「このままだと新聞社はやばい」という雰囲気になって、雑誌や外資系のPR会社に行く人が増えてきました。でも、やっぱりネットメディアに行く人はなかなかいなくて、移籍先は紙が中心。僕が2002年までアスキーで仕事をしていた人はライブドアメディアやITメディアに移ったりしていましたが、新聞社の人はそこまで身を持ち崩すことはなかった(笑)。そこがついに変わり始めたというのはおもしろいです。

古川 給与の問題は結構大きい気がしています。ネットメディアの給与って異常に低かったじゃないですか。そもそもどうしてこんなに低いんだっけ、おかしいよね、という流れがネット界隈でもあって、少しずつ上がりつつはあるんです。シリコンバレーみたいに年収1500万円には上げられないけれど、600万円なら元新聞記者でもぎりぎり我慢できるかな、とか。昔はせいぜい400万円程度だったので、行きたくても行けない、というところがあったので。

佐々木 給与の問題に加えて、ネットに対する考え方も変わりましたよね。昔は「わけのわからないところ」という感じでしたが、少しずつ認められている感じはあります。

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