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資源も政治力も軍事力もない日本は、技術力をもって世界一安全な国を目指すべき!
〔PHOTO〕gettyimages

台風、火山噴火、土砂災害、ゲリラ豪雨・・・災害の多い日本

今回の日本滞在では、日本が災害の多い国だということをしっかりと思い出した。体育の日を含む3連休は台風19号、その前の週も台風18号が荒れ狂った。その少し前には御嶽山の噴火、その前は広島の土砂災害。3年半前の東日本大震災は言うまでもないが、あまりにも痛ましい災害が続く。

日本の国土面積は全世界のたった0.28%しかないが、全世界の活火山の7.0%が日本にあり、マグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で起こっているという。ドイツ人が、「なぜそんな危険ところに住んでいるのだ?」とよく言うが、全世界における災害で死亡する人の0.3%が日本人だというから、ドイツ人に言われるまでもなく、日本は災害の割合がきわめて高い危険な国なのだ。 

まず、頻繁にやってきて、その度に被害をもたらすのが台風だ。気象庁によれば、熱帯の海上で発生する「熱帯低気圧」のうち、北西太平洋、または南シナ海にあり、かつ低気圧内の最大風速が秒速17.2m以上のものを台風というそうだ。ただ、台風は自分の力では移動できず、風に流されて移動する。

春の台風は北半球の南の方で発生し、そこでは東から西へ風が吹いているので、西に進んでフィリピン方面に向かう。しかし、夏の台風はもっと緯度の高いところで発生するため、西へ流されながら北上し、日本の近くまで来ると、今度は上空を吹く強い偏西風に乗って、早い速度で日本列島に向かう。

8月はその偏西風がまだ弱いため、それてくれる台風も多いが、9月になると南から円を描き、あたかも狙ったように日本に向かってくる。そして、秋雨前線と一緒になって、大量の雨を降らせることになる。

日本は、降水量もまた凄い。世界の平均降水量は年間807ミリだが、日本は1690ミリと2倍以上。しかもアジア諸国の常として、夏に集中して雨が降る。

降水量の総量を人口で割って1人あたりにすると、こちらは4997立方メートルで、世界平均の3分の1しかないそうだ。水道や農業や工業に利用されている水が「水資源」と呼ばれるが、それはさらに少なく3230立方メートル。世界の平均は8372立方メートルなので、これも半分以下。私は、日本人は、水を"湯水のように"ふんだんに使っているという印象を持っていたので、ちょっと意外だった。

日本人1人あたりの「水資源」が少ないのは、人口が多いこと、山地が多く川の長さが短いので、降った水があっという間に海に流れ出てしまうこと、そして、梅雨や台風のときに大量に集中して降ることが原因だという。せっかく降った雨を、有効に利用しにくい条件が揃っているのだ。

ちなみに、日本で一番長い信濃川は367キロだが、ドイツの我がバーデン・ヴュルテンベルク州に源を発するドナウ川は2850キロ。ドイツから、オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナを通って、黒海に注ぐ。

最近の日本ではゲリラ豪雨も多い。気候がだんだん温暖化していることと関係があるのだろうか。私が知っている昔の日本にはゲリラ豪雨はなかったし、竜巻なども聞かなかった。

そもそも、デング熱のウィルスを持った蚊が繁殖しているというのは、温暖化どころか、熱帯化が進んでいる証拠かもしれない。温暖な気候を好むため、西日本にしか生息していなかったクマゼミも、これまでの北限だった関東地方南部を通り越して、今では福島県や新潟県で見られるようになったという。このまま温暖化、もしくは熱帯化が進めば、代々木公園にマラリアを媒介するハマダラカも飛び始めるかもしれない。

一方、ドイツも温暖化は同じで、夏が暑くなった。冬は冬で、スキー場が雪不足で困っている。竜巻も頻繁に起こるし、神経麻痺を引き起こすウイルスを媒介するので注意が必要なツェッケとよばれるダニの一種が、今までいなかった地域にまでどんどん繁殖し始めている。

ツェッケは小さなものだが、ネジのように肌に食い込んだままそこに居座る。すると猛烈にかゆくなるので気づくのだが、ピンセットでつまんで、ネジを抜くように回しながら取らなければならず、自分ではうまくできない。たいてい病院で取ってもらい、その後、念のために抗生物質を処方されることになる。私もシュトゥットガルトの森で刺され、病院に行ったことがある。知人のお父さんは、刺されたことに気づかず放っておいたため、ある日突然、体調が悪くなり、そのあと、片足が麻痺してしまった。怖い話だ。

また、卵が越冬できないからという理由で、これまでドイツでは見かけなかったゴキブリも、最近あちこちに出没しているらしい。

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