企業・経営
ソニー社債の信用格付けが「A」から「BB-」まで各社バラバラ。さて、どう考えるべきか?
ソニーの平井社長は9月17日、大幅な下方修正を発表した         photo Getty Images

ソニーが日本を代表するテクノロジー企業であることに異論を唱える人は少ないと思うが、近年のソニーの業績に失望を感じる人もまた少なくあるまい。テレビに続く、スマートフォンビジネスの不振など、本業のエレクトロニクス・ビジネスの苦戦が続き、同業他社に較べて「止血」が遅れている。

筆者自身も含めてソニー製品のファンは少なくないはずだが、大勢のファンが、企業としてのソニーのもたつきに気を揉んでいるはずだ。

ソニーは多くの有名人を社外取締役に連ねる委員会設置会社で、日本のコーポレート・ガバナンスの先頭ランナーと目されている企業だが、外から見ると、経営のコントロールにこそ問題があるように見える。「コーポレート・ガバナンスの改善が日本経済を救う」と考えている、米国風コーポレート・ガバナンス推進論者にとってもソニーは気になる存在だろう。

「BB-」まであるソニーの信用格付け

近年の冴えない業績を映し、現在のソニーの株価も低迷しており、同社の株主は苦い思いでいるはずだが、株主よりも地味で、まだ大きな実害を受けている訳ではないが、ソニーの現状に気を揉んでいるのが、ソニーの社債を保有する機関投資家だ。筆者は、そうした投資家を身近に知っている。

主な格付け会社のソニーに対する信用格付けを見てみよう。信用格付けは、厳密には、個々の債券に与えられるが、社債の発行体として各社が発行体としてのソニーに与えている格付けを見る。

米国に本社があるスタンダード&プアーズは一般に投資適格とされる格付けの下限である「BBB−」を与えている。いわゆる「ジャンク・ボンド」一歩手前の評価だ。

同じく米国のムーディーズは、BBB−の一段階下に相当する「Ba1」としており、既にソニー債はジャンク・ボンドだと言っている。

日本の会社である格付け投資情報センター(通称「R&I」)は、「A−」と評価している。

同じく、日本の格付け会社、日本格付け研究所はR&Iよりも一つ上の「A」を与えているが、9月17日にこの格付けを下方方向に修正するかどうかを見直し中であると発表している。ソニーが大幅な下方修正を発表したのがこの日だから、格付けが将来を予見するよりは、現実の後を遅れて追いかける、「後付け」であることが、表れた展開だ。ちなみに、筆者は、格付け会社のことを、皮肉を込めて「後付け会社」と呼ぶことがある。

もう一社、S&P、ムーディーズに知名度で一歩譲るが、大手の格付け会社に数えられることがあるフィッチ・レーティングスのソニーに対する格付けは、「BB−」であり、こちらは2012年11月の格下げだから、水準的に厳しすぎたかも知れないが、本件に関しては「先見の明」があったと言えそうだ。

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