クラウドワークス吉田浩一郎【第3回】「人々の欲求について深く考え、それが10年後にどうなるかを考えるのが今の私の仕事です」

2014年10月20日(月)
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吉田 結局、目で見た時にピザのかたちをしていて、ピザの色で、ピザのにおいがしてくれば、たとえそれがソイレントだったとしても栄養が消化されるんじゃないかという実験なんです。この流れは当然ですよね。だって人口が爆発して食料がどんどん足りなくなるというのはみんな知ってるわけですから。ということは科学的にそういう食料が生まれるということになるわけです。そうすると、日本で言うと「食うために働く」ということがなくなる可能性があります。いや、食うために働く人もいると思います。でも、「食うために働かなくてもいい層」というのが生まれてくる可能性がある。そうすると働くということに二分化が起きます。

― 「食べるために働く人」と「食べるためには働かなくていい人」。

吉田 はい。それと、世界で今起きていることは「感覚のファミレス化」だと思っているんです。ファミレスはあんなに流行っていますけど、本来だったら、ファミレスよりおいしいものがあるわけです。ちゃんとしたレストランで、ちゃんとした材料で作られたものはおいしいとみんなわかっている。でも、「ファミレスでいいか」となっていますよね。あれと一緒で、例えばナイアガラの滝のような観光地へ行きたいと思う人は多いでしょう。これからは大画面でナイアガラの滝の画像をドーンと見れて、水しぶきや風も感じて、温度も感じるようになるんじゃないかな。そしたら「行かなくてもいいか」という風になるかもしれない。

そういう変化がいろんな欲求の分野で起きてくるとすると、リアルに体験するということ自体がおそらくプレミアになってくるんですよね。これの証拠に例えば、今CDの売り上げは下がってるんですけど、ライブの売り上げは上がっていますよね。そういうエッセンスを積み重ねていくと、働き方の意味合いがより変わってきます。

Facebookというのは「いいね!」という、人の共感が定量化された初めての事例だと思うんです。また、ツイッターのリツイートとかも共感の数を示しているわけですよね。ということは、どんどん人の気持ちがWeb上に溜まっていって、定量化されていく。そうなっていくと、結局は貨幣よりも人の考えや共感の方が価値を持ち始めるというか、そういった現象がもはや起きていると思うんです。ゴールデンボンバーの「音源を入れずに握手券をつけてCDを売ろうとしたら止められた」という話があるぐらいですから。ドワンゴの川上量生さんの「人間がコンピューターに勝つためにはでたらめなことをするしかない」という話に、私は100%共感しています。おそらくゴールデンボンバーみたいに「音源ないのにCDを売る」みたいなことは、人間にしか思いつかないですよね。

羽生善治さんが記事で「将棋でコンピューターが100%勝つようになったら将棋自体のルールを変えればいいじゃないか」という意見を述べていましたが、それも人間にできることなんです。そういうでたらめさみたいなものが今後価値を生むと思っています。

夢を強く提示し続けることが重要

また、時間軸がどんどん短くなっていってるとも感じています。今までは1時間のテレビドラマを観ていたものが、今はスマホでHuluなどのアプリを介して10分ずつ観るということができるようになっています。最終的にはツイッターで「それがおもしろい」とか「共感した」とか、クラウドファンディングで「それおもしろいから今お金払うわ」とか、瞬間の共感に対してビジネスが動き始めてる。そうなると、国や社会や枠組みというものの意味が薄れてきて、人そのものが固有で生み出す予想外なものとか、固有のストーリーとか、そういったものがよろこばれるようになると思います。

― なるほど。そういう未来に向けてクラウドワークスさんの事業を作っていくというわけですね。

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