クラウドワークス吉田浩一郎【第3回】「人々の欲求について深く考え、それが10年後にどうなるかを考えるのが今の私の仕事です」

オンライン学習サービスschoo WEB-campusとのコラボレーションで、世の中に新しい価値を生み出そうと挑戦する「起業家たちの原点」を紐解くインタビュー企画第2段、株式会社クラウドワークスの代表取締役兼CFO、吉田浩一郎さんをお招きしました。
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「火の鳥」から見出した人間のエゴと欲求

― 吉田さんは経営者として、今は何をされているのですか?

吉田 今やっているのは会社の20年計画ですね。やっぱりこの社会って人のエゴや欲求の積み重ねなんですよ。その積み重ねの先に10年後20年後があるんです。例えば、手塚治虫の『火の鳥』は人類が滅亡してゴキブリの人類が誕生して……という、人類の栄枯盛衰を火の鳥がずっと見てる作品なわけですよ。ここで私がすごく疑問に思ったのは、手塚治虫はせいぜい70~80年しか生きてないのに、なぜ人類が描けるのかということです。それをずーっと読みながら考えていたら答えが出ました。要は人のエゴなんです。人の欲求やエゴについてフォーカスを当てて考え続けると、ああやって『火の鳥』のように未来が描ける。

― ほお、『火の鳥』から人間の欲求やエゴに行き着くんですね。

吉田 『火の鳥』って不思議な話じゃないですか。我王の欲が取れて解脱する過程とか、そういった話から「欲」で世界を見ると、Googleの自動運転カーは100%普及するはずなんですよね。だって、人間は楽したいから。今はマニュアルカーを運転するなんて「なんで今さらクラッチつなぐの?」みたいな感じでしんどいですよね。でも、昔はみんなマニュアルだったんです。それがオートマになった。ということは10年後には「まだハンドル握ってるの? お前って趣味人だね」と、ハンドルを握ることが趣味の世界になってくるわけですよ。そういう変化を積み重ねていくと、社会構造の10年後20年後が見えてきます。

その時に働き方がどうなるのかということを考えながら、クラウドワークスの未来戦略をどのタイミングでどう描くのか。それについて日々考えるのが私の仕事です。人々の欲求について深く考えて、それが5年後、10年後、どうなるのかということに思いを馳せています。

貨幣よりも人の考えや共感の方が価値を持ち始める時代

― なるほど。吉田さんが描く、私たちの10年後の働き方はどうなっているんでしょうか?

吉田 世界中はわからないですけど、少なくとも日本という先進国の部類に入るところの国は、「食べることがさほど難しくない技術がたくさん開発される」と思うんですね。アメリカでソイレントという粉が生まれましたが、1ヵ月間それを食べるだけで全ての栄養素が取れるんです。でも、これがさらに一歩進んでたんですよ。粉だと味気ないので、食べても栄養が消化されないんですね。人間ってやっぱり「色がきれい」とか「いいにおい」とか「おいしい」とか、そういう要素で消化が進むらしいんです。だから、今は「バーチャルグラスを使ってかたちやにおいを与える」という研究をしてるらしいんです。

― 食の未来も進んでいるんですね。