現代新書
現代新書『ふしぎな国道』著者 佐藤健太郎氏インタビュー
マニア歴17年のサイエンスライターが語る、あまりにディープな国道♥愛の世界

現代新書50周年イヤーの隠し球的作品『ふしぎな国道』が10月17日に発売されます。著者は、『炭素文明論』などの著作で注目される新進気鋭のサイエンスライター佐藤健太郎氏。国道♥愛のディープな世界は、読み始めたら止まらない異次元ワールド。2014年新書界最大の快作(怪作?)です。それにしてもなんでまた国道?

Q.佐藤さんは『医薬品クライシス』『炭素文明論』などの硬派のサイエンス作品で高い評価を得ていらっしゃいますが、こんなご趣味をお持ちとは知りませんでした。なぜ国道にはまってしまったのでしょうか?

マニア歴17年の熱狂的な国道マニアであることをカミングアウトした、サイエンスライターの佐藤健太郎さん

A.まずはドライブが好きで、あちこち走っていたことから始まりました。で、道路をよく観察していると大小の謎が見えてくるんですね。なぜ、いったん終わったように見える国道が再度現れるのか、なぜ国道100号や111号は全国どこにもないのか、なぜ階段やけもの道みたいな道路が国道指定されているのか。そうした謎を解き明かすことに、どうやら喜びを感じるようです。

Q.それにしても、なぜ鉄道や飛行機ではなく、国道に? 自動車というならまだ理解できますが・・・

A.どうも、僕は1から順に番号がついているものが好きなようです。本業である、化学の元素周期表もそうですし。なので、国道は好きでも高速道路にはあまり興味が湧かないのかもしれません。

Q.番号がついているものが好き、というのは理系の方の特徴なのでしょうか?

A.ある学会でこの話をしたら、ものすごく共感してもらえたので、たぶん研究者の中にはそういうタイプの人が少なからずいるのでしょう。多くの国道関連書籍やDVDを出している有名な国道マニアの方も、やはり本業は化学の研究者です。何か通底するものがあるんでしょうね(笑)。

Q.この本を読んで、「酷道マニア」「標識マニア」「道路元標マニア」など、かなり細分化されているのに驚きました。佐藤さんは一通り精通しているようですが・・・。個人的にはどの分野が一番強いのでしょうか?

ガードレールもなく対面交通ができないような悪路を好んで走る「酷道マニア」

A.鉄道と同じで、道路マニアにも多くのジャンルがあります。廃道を探検する人、ある地点から地点までの最速ルートを見つけ出すことに命をかける人、有料道路のレシートをコレクションする人など、僕の目から見ても不思議なジャンルがたくさんあります(笑)。
 僕自身は、国道の旧道を追いかけ、かつてどういう経路をたどっていたかを探り出すのが好きです。天下の国道○号が昔はこんな道だったのか!と驚くことも多いですし、古い町並みの残る街道筋を歩いていると、長く重ねられてきた人々の生活の息吹が感じられて、ちょっとしたタイムスリップ気分を味わえます。