安達誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」

【第63回】 米国株式市場は調整局面に入ったか? 考えうる2つのシナリオ

2014年10月16日(木) 安達 誠司
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〔PHOTO〕gettyimages

米国在住の多くの投資家が抱く懸念は正しくない

このところ、米国株価の下落が顕著である。代表的な米国株価指数の1つであるS&P500株価指数の10月14日の終値は、1877.70ポイントで、直近ピークの2019.26ポイントから7%超の下落となっている。

10月の米国株式市場は、ヘッジファンドの決算期で換金ニーズが高まる等の理由から季節的に株価が下がることが多いといわれている(いわゆる「アノマリー」)。だが、毎年決まって10月に株価が下がるというわけでもない。

また、9月終わりから10月初めにかけて、米国在住の多くの投資家は、10月の「Tapering(FRBによる量的緩和政策の段階的な縮小)」終了後のFRBの金融政策運営の不透明感に対して強い懸念を抱いていた模様であり、それが何らかのきっかけ(例えば、ユーロ圏の弱い経済指標や米国でのエボラ出血熱の二次感染者出現など)で顕在化した可能性も指摘されている。

ここでいう、「Tapering」終了後のFRBの金融政策運営についての不透明感とは、具体的には、ゼロ金利政策の早期解除とその後の金融引き締めを意味するものであると考えられる。だが、9月のFOMCのステートメント等を読むと、その懸念は正しくないと筆者は考えている(この点については、『講座ビジネスに役立つ世界経済 第60回「明らかになった米国の出口戦略とその意味とは?」』を参照のこと)。

要点を繰り返すと、[1]FRBは「Tapering」終了後からゼロ金利政策解除までに、これまでの量的緩和によって大量に積み上がった超過準備を削減することはしない、[2]毎月の金額は減らしながらも「Tapering」終了後もMBSや米国債の買い入れは継続する、[3]過去の量的緩和で購入したMBSや米国債のうち、償還を迎えた部分の再投資による債券購入も継続する、ことが明記されていたためである。

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