企業・経営
「モバイルラーニングを通じて時間・場所・費用の制約を解消したい」---トーマツイノベーション・濱野智成氏に聞く
トーマツイノベーション株式会社事業開発本部長・濱野智成氏

「モバイルラーニングを通じて教育格差をなくしたい」

内閣府の「消費動向調査」によれば、日本におけるスマートフォン(以下、スマホ)の世帯普及率は54.7%となっている。スマホの急速な普及によって、さまざまな変化が訪れているが、注目分野のひとつに「モバイルラーニング」がある。

今回は、教育課題の解消に向けた取り組みを紹介したい。モバイルラーニング・反転学習サービス「モバイルナレッジ」事業を推進するトーマツイノベーション株式会社事業開発本部長・濱野智成氏に話を聞いた。 

トーマツイノベーションは、約8000名の公認会計士、税理士、経営コンサルタントが所属するデロイトトーマツグループのメンバーファーム。おもに教育事業を展開しており、企業研修などをはじめ7900社に対して支援をおこなってきた。

グループ自体は経営コンサルティング企業であるものの、企業支援をするなかで人材育成の課題が大きいことが分かったという。濱野氏は「人が変われば、組織も変わる。人材育成には奥深さや本質があります。この課題解消を通じて企業の発展に貢献したいと思っています」と語る。

そこでモバイルラーニングに着目した。この領域にはまだまだプレイヤーが少ない。実際、昨年10月にリリースした「モバイルナレッジ for Freshers(以下、モバイルナレッジ)」は業界初の内定者教育サービスだ。「学びの日常化」をコンセプトに掲げ、モバイルとソーシャルを活用した学びを自発的に促すことを目指す。リリースから1年で300社以上が導入している。現在は内定者向けのサービス提供のみだが、もっと大きな絵を描いている。

「モバイルラーニングを通じて教育格差をなくしたいです。具体的には『時間・場所・費用』という3大制約の解消を目指しています。時間の制約は忙しさや現場業務を優先するために自己成長に投資できていないといったこと。また、地方拠点などが場所の制約となり、費用については新入社員研修と管理職研修の2大研修には費用を投資できる一方で、それ以外は空白地帯となっている現状です」(濱野氏)

このような状況のため、ビジネス基礎を学ばないまま管理職になるようなケースをはじめとするさまざまな教育格差が生まれはじめている。そのアプローチとして内定者向けにしぼって展開しているが、今後は若手・中堅社員向け、営業向け、マネージャー向けなど、横展開をおこなう計画をもつ。