経済の死角

「お前が悪い!」「ウソをつくな!」名門企業どうしがシステム開発を巡って法廷闘争 野村證券vs.日本IBM 感情ムキ出し「33億円」の大ゲンカ

2014年10月24日(金) 週刊現代
週刊現代
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そこまでするか、と首をかしげずにはいられない。誰もが知る有名企業同士が繰り広げる相互批判、暴露、醜聞の蒸し返し……。異例の喧嘩の裏には、どうしても負けられない「事情」があった。

まず野村が訴えた

子供の頃、喧嘩には暗黙のルールがあった。相手が泣いたら止める、血が出るようなことはしない、顔は殴らない。

大人であればなおさらのはずだが、野村證券と日本IBMという名門企業が法廷の場で争う大人の喧嘩には、そうしたルールはまったく通用しないようだ。

互いが互いを徹底的に批判し、完膚なきまでに叩きのめそうとする大ゲンカが今、展開されている。

「野村がIBMに委託したシステム開発プロジェクトが頓挫したことがきっかけで、野村が被った損害として約33億円という巨額の支払いを求めています。野村が支払いを求める通知書を送ったところIBMが拒否したため、昨年11月に野村證券と親会社の野村ホールディングスが日本IBMを東京地裁に提訴したのです」(全国紙経済部記者)

第一回の口頭弁論が東京地裁で開かれたのが今年2月で、以降、第二回(4月)、第三回(7月)、第四回(9月)が開催され、現在も係争は継続中だ。

両社ともに「係争中につきコメントできません」と喧嘩の中身を明かそうとしないが、裁判資料を読み込むと、互いに一歩も引かないガチンコバトルの内情が浮かび上がってくる。

まずは野村の主張から見ていこう。

〈(※日本IBMは)当該システムの中核であったアプリケーション・パッケージ(中略)のカスタマイズ作業を適切に遂行できずにスケジュールの延期を繰り返し、本件プロジェクトの中核となるべき要員を適切な引き継ぎも行うことなく頻繁に交代させて適切な開発体制の確立を怠り、かつ原告野村證券が提示した問題点に関する挽回策を提示することもなく、その結果、本件プロジェクトを頓挫させてしまった〉(〈〉内は裁判資料より。※は編集部註。以下同)

〈そのため、原告らが本件プロジェクトのために投じた莫大な時間および費用は無意味なものとなった。そこで(中略)訴えを提起したものである〉

読むだけで怒りが伝わってくる文面である。野村が提出した裁判資料はIBMに「お前が悪い!」と言わんばかりに、このような事態がいかにIBMのせいで生じたのかを、これでもかと事細かに記していく。

〈(※作業開始の初期の段階から)早くもスケジュールの遅延が発生しはじめ、しかも遅延によって延期した期日さえ遵守できずに遅延を繰り返すという事態が継続する有様であった〉

次ページ 〈また、被告は、本件プロジェク…
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