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いろいろチェーン展開、拡大展開しているクルマ界のもの、それ以外にものについて1号店を探せ! これが1号店

〝1号店〟、あぁ、なんと香しい響きなんだ。伝統、そして崇高さまで感じさせる1号店。ふと入った店が1号店だった時のささやかな喜びを感じた人も多いだろうし、1号店と聞くだけで行きたくなる人もいるハズ。1号店は、すべての元祖、礎で特別な存在なのだ。

ひと口に1号店といっても、それを大々的にアピールしているところもあれば、そうでないところもある。また、現存しているところもあれば、すでに消滅してしまっているもの、現存するが名前が変わってしまっている、業種すら変わっているなどなど、1号店の末路もさまざまある。

メーカーサイドに問い合わせても資料が消滅して元祖である1号店がどこかイマイチ判別つかない、というところもある。 そう、1号店を巡る旅とは試行錯誤、そして喜びの連続。ここではクルマ界、クルマ界以外から1号店を探すその旅にしばしおつきあい願いたい。

これが1号店 ディーラー編

クルマ界でチェーン展開といえばディーラー。日本全国に存在し、国産ディーラーのない都道府県はないほど、その販売網は張り巡らされている。古すぎて資料がなく、1号店がどこかわからないメーカーは、今後も引き続き調査を続けていく。

トヨタの販売店

GM系の販社からトヨタに替えた日の出モータースがトヨタの1 号店(トヨタ75年史より)

トヨタは日本一の販売店数を誇り、その数は308社、約5800店舗にまでなり、世界一の自動車販売に大きく貢献。

そのトヨタの販売店の1号店は、実はGMと大きな関係があった。1935年に『自動車工業確立ニ関スル件』が閣議決定され、これは日本国民が株式の過半数を所有する株式会社にかぎり認可する許可制とするというもので、当時すでに日本上陸を果たしていた日本GM、日本フォードは営業の継続が難しくなったのだ。

そんな折日本GMは国産ディーラーへの鞍替えを容認したこともあり、トヨタの販売組織の大部分がGM系販売店(シボレー販売店含む)で構成され、その第1号は、GM系販売会社の日の出モータースだったのだ。 この日の出モータースこそトヨタの販売店の1号店で、後に名古屋トヨタ販売に改称、現在の愛知トヨタ自動車に至る。

日産の販売店

ダットソンからダットサンへ!

日産は今年80周年を迎え、その記念車も好評発売中。日産としては80年だが、その礎はもっと古い『ダット自動車製造』。鮎川義介氏の『戸畑鋳物』が買収し、後に日産となるのだが、販売店関連の資料として残っているのが、1932年2月に東京銀座にダットサン商会を設立したのが最初とある。つまり日産系販売会社の1号店は現存しないこのダットサン商会ということになる。

ちなみにこのダットサン商会の開店準備中に洪水に見舞われたことにより、ダットソンという社名は損につながるということでDATSON→DATSUNと改称したという逸話もある。

三菱の販売店

三菱A型を販売した大手商会の果たした役割は大きかった

三菱自動車の前身を遡れば、1870年に誕生した海運会社の九十九商会に行き着く。この九十九商会は三菱グループの元祖で三菱合資会社と改称した後に登場させた初の乗用車の三菱A型は、三菱造船と三菱商事が共同出資して作った『大手商会』で販売。この大手商会こそが三菱車の販売の1号店ということになる。東京の麹町区永楽町2丁目6番地(現在の大手町から丸の内の近辺)が最初の拠点になったという。

そのいっぽうで1923年に誕生した四国商会(現高知三菱自動車販売)は現存する最古の三菱系の販売会社となる。

いっぽう、ふそう系の販売会社では、1927年に作られた北陸自動車商会(現北陸三菱ふそう自動車販売)が1号店。

マツダの販売店

最初は三菱商事が東洋工業の販売を担当していたが、その後マツダ出張所により販売アップ

マツダの前身である東洋工業は1931年に3輪トラックに参入し、マツダ号を発売。当時、東洋工業は販路を持っていなかったため三菱商事が委託を受けるかたちで販売を担当していたという。そこで、函館、東京、大阪、福岡県(門司)に特約店を設置したという記録が残っている。

その後三菱商事との販売契約は解除となり、東洋工業は独自の販売網の構築を目指し、その第1号店がマツダ東京出張所で、東京市京橋区西八丁堀1丁目にある斎藤ビル内に設置されたという。独立系としてはこちらが1号店。地元の広島じゃないってところがけっこうシュールな感じ。

ダイハツの販売店

HA型の次のHB型が大ヒット

現在のダイハツ工業としては1951年からの操業となるが、その前身は1907年に大阪に発動機製造株式会社を設立したのに端を発する。そして1930年から3輪自動車の発売を開始している。

その3輪自動車を販売するために、1931年に近畿総販売会社として太陽商会、東日本総販売会社としてダイハツ商会を作ったのが販売会社の1号店(どちらが先かは不明)。ちなみに、太陽商会は現在の大阪ダイハツ、ダイハツ商会は現在の東京ダイハツということで、主要どころがキッチリと残っているのもダイハツらしい。

東西の両雄の頑張りにより、3輪自動車マーケットではダイハツが東洋工業などを寄せ付けず圧倒的なシェアを誇った。

この1号店を調査していて、ダイハツは1号店を作った後、1934年までにダイハツ商会を25店舗に増やしているのがわかったが、中国のほか海外に3店舗持っていたというのが凄い。

レクサスの販売店

国内メーカーとして一番新しいディーラーといえばレクサスで、'05年から日本での販売を開始し、10年近く経っている。販売店も現在は全国に172店舗まで増えている。

その1号店は、東京港区のレクサス高輪で、JR品川駅にほど近い第一京浜(国道15号)沿いに居を構えている。

このレクサス高輪は、プレス向けにオープン前に公開されたりもした。スカしている、お高くとまっているなど何かと誤解を受けやすいレクサスの1号店は、特にそれをアピールするものはないが、外観を見ただけで荘厳な感じを醸し出している。

意図的に敷居を高くしているのかどうかは不明ながら、レクサス店はもう少し入りやすい雰囲気があってもいいかも。

輸入車の販売店

■メルセデスベンツ
メルセデスベンツ日本系の販売会社として'89年からシュテルンを展開中で、東京都中央区豊洲にあるシュテルン中央が栄光の1号店。

■マクラーレン
マクラーレン・オートモーティブの日本第1号店は、大阪・ミナミの心斎橋に昨年11月にオープンしたマクラーレン大阪八光ショールーム。ちなみにこのマクラーレン大阪八光は、アジア1号店でもある。

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