視聴率にとらわれず、現代社会が抱える諸問題を掘り下げるBSニュースの魅力

BS-TBS報道部公式HPより

地縁、血縁、社縁に代わる「つながり」を求める現代人

3.11以降、「絆」、「つながり」といった言葉が流行している。大震災という未曾有の危機に遭遇したことにより、人は一人で生きられないことが再認識されたためだと見られているが、それだけではないだろう。時代背景も影響しているに違いない。そもそも現代人は「絆」、「つながり」を喪っていた。

1970年代から80年代にかけて、まず「地縁」、「血縁」という結び付きが希薄になった。近所付き合いや町内会活動、県人会活動などが廃れて、親戚付き合いも淡泊になった。親子の断絶さえ珍しいことではない。

代わりに台頭したのが「社縁」。だが、これもバブルが崩壊した90年代以降、消えつつある。かつては同じ会社に勤めるサラリーマン同士やOBが結束し、個人やその家族の冠婚葬祭などを支えていたが、今や株主資本主義だから、社員の面倒を徹底的にみる会社は少ない。待遇の違う非正規社員も増加の一途なので、職場の連帯感も薄らいだ。

大人に限ると、地上波のテレビとの繋がりも希薄になった。地上波のテレビからナイターや時代劇がほぼ消滅して久しい。民放のプライムタイムのドキュメンタリーも激減し、大人に届けようとするドラマも数少ない。地上波のメインターゲットがF1層(20歳から34歳までの女性)であるためだ。F1層は購買力が高いため、スポンサーに支えられている民放は重視せざるを得ない。

大震災の危機に直面しただけではなく、そもそも拠り所が喪われていたからこそ、「絆」や「つながり」が求められているのだろう。昨年の大ヒットドラマ『半沢直樹』(TBS)で半沢(堺雅人)は窮地に立たされたとき、妻(上戸彩)や同期の仲間(及川光博)に救われた。見返りを求めない人たちが支えてくれた。部下や顧客の中からも協力者が現れた。実社会には存在しにくくなっている「絆」と「つながり」が、映像内にあった。これも高視聴率の大きな要因だったと思っている。

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