町田徹「ニュースの深層」
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「不都合な真実」隠し、地方統一選重視の安倍政権は
「COP21」で国際的孤立必至

2014年10月14日(火) 町田 徹
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国連本部で開かれた気候変動サミットで演説する、レオナルド・ディカプリオ photo Getty Images

地球温暖化の防止を目指す「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)」の交渉が再び大きなヤマ場を迎えつつある中で、日本政府の煮え切らなさが際立ってきた。

地方統一選へ「不都合な真実」を隠す日本

当然ながら、こうした状況に危機感を募らせている専門家は多い。筆者の取材にも匿名を条件に、「これ以上、問題を先送りし続けて日本だけが自国の対応を示すカードを切れずにいると、肝心の主要国間の駆け引きに乗り遅れかねない」とか「この時期は参加各国の本音を探り出さなければならないのに、後手に回っている。米中に梯子を外される結果となった京都議定書の二の舞にならないか不安にならざるを得ない」などと漏らす向きがある。

政府が煮え切らない理由は、来年4月に統一地方選挙が迫っていることだ。二酸化炭素(CO2)の排出削減目標作りに不可欠な原発依存度の実態を、投票前に明らかにするのは、有権者の支持を失いかねない行為と政府・与党は慎重になっているという。

一昨年発足した安倍政権は、昨年の参議院議員選挙への配慮から民主党政権の原発を巡る乱暴な政策の是正を先送りし、その結果、抜本策を講じられない状況に自らを追い込む失敗を犯した。これ以上、不都合な真実に蓋を続けようとして、更なる事態の悪化を招くことだけは避けてほしいものである。

「京都議定書」で日本は先頭に立ったが…

まず、おさらいしておこう。国連は1995年以降、毎年、「気候変動枠組み条約締約国会議(COP)」を開催してきた。このCOPは、1992年に採択された「国連気候変動枠組み条約」(United Nations Framework Convention on Climate Change)に基づく会議である。最終的な会議の目的は、異常気象の引き金となる大気中のCO2など温室効果ガスの濃度を下げることにある。

京都で1997年に開催されたCOP3の成果が「京都議定書」(Kyoto Protocol)だ。同議定書は、1990年を基準にした温暖化ガスの削減目標を決めて、2008年から2012年の間に達成するよう先進各国に義務付けたものとして有名だ。

各国別の目標は、日本が6%減、米国7%減、EU8%減となっていた。議長国だった日本は、2度の石油危機を通じて圧倒的にCO2の排出削減が進んでいたにもかかわらず、議定書に対する各国の合意を取り付けるために先頭に立って達成困難な目標を掲げた。

こうした日本の対応を、EUや途上国は排出権の売却や援助を通じて日本から多額の資金を獲得する機会にできると歓迎し、議定書は合意に辿り着いた。ところが、2001年になって米国が京都議定書からの離脱を表明したほか、中国やインドといった排出大国も「先進国ではない」と主張して削減義務を負おうとしなかったため、実効性は乏しかったとされている。

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