GPIF改革で株価上昇へのサプライズ!
「25%」「バンド制」を塩崎厚労相は発表できるか

GPIF組織改革にこだわる塩崎恭久厚労相は「官僚と衝突中」   photo Getty Images

10月8日(現地時間)、ニューヨーク証券取引市場のダウ工業株平均は前日比274ドル高と大幅に反発したものの、翌日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録公開で早期の利上げ観測が後退したことで、一転して335ドル安に下落した。

加えて円相場が対ドルで円高に振れて輸出関連株が売られ、欧州景気に対する懸念も強まり、東京証券市場の日経平均株価は3日続けての値下がりで下げ幅400円超の1万5500円割れになり1ヵ月ぶりの安値となった。

塩崎厚労相が「官僚の抵抗にあっている」

「株価が政権の命綱」とする首相官邸が望んでいた9月中旬の株価1万6000円台回復は瞬間風速に終わった。こうした中で、焦点の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF。三谷隆博理事長=元日本銀行理事)のリスク資産運用構成比変更、具体的には実質国内株式保有率を現行の17.3%から20%超への引き上げを正式発表するのか、それとも先送りするのかが、市場関係者の最大の関心事になっている。

GPIFを所管するのは厚生労働省(村木厚子厚生労働事務次官・1978年旧労働省入省)の年金局(香取照幸局長・80年旧厚生省)である。そして厚労相は、鳴り物入りで就任した塩崎恭久氏である。『毎日新聞』(4日付朝刊)は、その塩崎厚労相が「運用を手がけるGPIFの組織改革にこだわり、官僚の抵抗にあっている」と報じている。

外国機関投資家を含む市場関係者のみならず、出来れば株価1万7000円台を実現したい官邸側は、GPIFのガバナンス改革も重要だが、それよりも総資産約130兆円の国内株式保有率を増やしてより多くの運用益を出せという立場である。

有識者7人で構成する運用委員会(委員長・米澤康博早稲田大学大学院教授)を日銀の政策委員会に準じた金融専門家による「合議制」導入などガバナンス改革にはGPIF組織改革法案の国会成立が必要である。今臨時国会への法案提出・成立は無理だ。

そんな悠長なことを言っている場合か、というのが安倍官邸の本音であろう。

筆者は本コラム5月17日付で、当時の円高・株安によるアベノミクスへの先行き不安を突破するには、GPIF改革との絡みで日銀(黒田東彦総裁)とGPIFが個別に直接量的緩和のスワップ取引の実行を提言した。

日銀がGPIFから国内国債を買い取れば、市場は一定の緩和策として評価すると共に国債市場の流動性を損ねることもない。そしてGPIFが国債保有率を減らすことは運用改革・資産分散の大きな一歩と見なされ、市場への強いメッセージとなる、と書いた。

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