石川次郎 第2回 「若き日の横尾忠則による傑作『浅丘ルリ子裸体姿之圖』誕生秘話」

撮影:立木義浩

第1回はこちらをご覧ください。

シマジ しかし「平凡パンチ」に掲載された横尾忠則さんの『浅丘ルリ子裸体姿之圖』は衝撃的だったね。エロティックでじつに美しいアートだった。ジロー、あれが誕生した経緯を話してくれないか。

石川 あのころの横尾さんは一般にはまだあまり知られていなかったんだけど、ぼくも同僚もひそかに注目していたんだ。そこへもってきて当時編集長だった木滑さんが、「横尾さんは面白いから徹底的に追いかけよう」と宣言したわけ。

編集会議で「担当したい者は手を挙げろ」といわれたとき、3人が手を挙げた。ぼくと椎根和と今野雄二の3人。木滑さんからは、「それじゃあ、それぞれ違う視点で、3人で担当してみれば」という指示が出た。

シマジ 担当編集が3人いるというのは斬新だね。さすがは木滑さんだ。

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石川 椎根は横尾さんの日常を追いかけたいという。今野はアーティストとしての一面を引きだそうとしていた。ぼくはとにかく横尾さんにオリジナルの絵を描いてもらいたいと考えていた。だから「平凡パンチ」には毎週なにかしら横尾さん関連のページが誌面を飾るようになっていたんだ。

ある日、「浅丘ルリ子さんのヌードを横尾さんの想像で描いてもらえませんか?」と頼んでみたら、「次郎くん、それは面白いアイデアだね」と乗ってきてくれた。夕方から描きはじめて、あんな大作をたったの一晩で一気に仕上げてしまったんだから、さすがだよね。

じつはあのセクシーな四つん這いのポーズは、倍賞美津子さんがある週刊誌のグラビアでやっていたのを拝借したものだったんだけど、あとは横尾さんの想像であって創造だよ。ただし、綿密な取材を通じた創造だけれどもね。