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ガソリン高騰の折 気になるPBガソリンスタンドの真実

ガソリンが高騰している昨今、安い価格で販売しているのはPB(プライベートブランド)と呼ばれる大手元売りのマークを掲げていないスタンド。気になる存在な一方でPBは、なぜ安いのか?  大丈夫なのか? という疑問もわくところ。今回はPBガソリンスタンドの真実と題して、レポートしよう。

毎年ブランドを掲げる元売り系列のガソリンスタンドが急速に減少していくなか、PB(プライベートブランド)のガソリンスタンドは大きく減らしていない。結果としてPBの存在感が高まり2012年には28・4%にまでその比率が高まっている。

ひとことでPBというが、大きく3つの流れがある。それは(1)商社系(2)JA系(3)独立系となる。(1)は丸紅や伊藤忠、三菱商事などが手がけるスタンドで、(2)はJAつまり全農と都道府県単位のJAが展開するガソリンスタンドになる。(3)独立系はオートバックスなどカー用品店やイオンなどの大手スーパー、ジョイフル本田などホームセンターがやっているスタンドもあれば1店だけでやっているスタンドまでさまざまだ。

よくPBのガソリンは〝まがいもの〟という人がいるがまったくのデマ。というのも品確法という法律によって、元売りのマークを掲げるスタンドが1年に1度品質の分析を行う義務があるのに対して、PBは10日ごとに1回の品質チェックが義務づけられている。つまり単純計算で、一年間に36回も検査しているということ。

ちなみに分析するのは、東京永田町の本部のほか全国9カ所に試験センターを持つ一般社団法人の全国石油協会で、PB各店はレギュラー、ハイオク、軽油を各500㏄サンプルとして取り10日ごとに運送業者に預け、検査している。ちなみに年間の経費は1店舗約18万円とバカにならない。

ゆえに品質管理はブランドマークを掲げるスタンド以上に厳しいともいえる。

ガソリンの流通はこの6パターン元売り系列
系列特約店の場合 石油元売り→特約契約店SS
系列販売店の場合 石油元売り→特約契約店→販売店SS
元売り直営店の場合 石油元売り→直営子会社(連結子会社)
PB
商社系PBの場合 石油元売り→総合商社→PBSS(商社ブランド表示)
JA系PBの場合 石油元売り→全農→都道府県JA→JASS
独立系PBの場合 石油元売り→総合商社・先物市場・特約販売店→PBSS

なぜPBガソリンは比較的安いのか?

ガソリンは元売りから元売りのブランドマークを掲げた系列特約店スタンドと系列販売店スタンドに供給される「系列玉」とそれ以外のルートに流れる「業転玉」がある。つまりPBは「業転玉」を扱っている。

ガソリンは原油から精製されるが、需給状況によってガソリンだけを増減させるわけにはいかない。軽油も灯油も同様に増減することになる。つまり、余るものが出てくる。

10日に1回の品質チェックに遭遇。500㏄のレギュラーガソリンが携行缶に入れられ全国石油協会の高崎試験センターに送られていった

また昨年段階で元売りの原油精製能力は日産約71万㎘なのに対し、石油製品の需要は1日54万㎘とだぶつきが見られる。このため元売り各社は系列以外へ「業転玉」として供給している。これを商社が買って自社の系列のスタンドで売ったり、全くの独立系スタンドに売ったりすることで、PBの流通ができる。また商社は独自にガソリンを輸入しており、こちらもPBへと流れている。

昨年公正取引委員会が調査したところによれば、「業転玉」は「系列玉」よりも平均で3・8円/ℓも安く商社は仕入れることができることがわかった。しかも商社は元売りと数量を決め、計画的に「業転玉」の供給を受けている。元売りのガソリンの販売総量の約10%は商社に流れる「業転玉」といわれ、元売りも頼らざるをえない存在となっている。その一方で、系列特約店は元売りから「系列玉」以外販売できない契約となっており、セルフ化によって人件費を削減しても価格面でPBに対抗するのは難しくなっている。

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