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[虎四ミーティング~限界への挑戦記~]
掛布雅之(野球解説者)<前編>「ミスター・タイガースへの道」

2014年10月10日(金) スポーツコミュニケーションズ

克服したサウスポーのカーブ

二宮: 掛布さんは1年目から開幕一軍入りをして、83試合に出場しました。プロのボールにスムーズに対応できましたか?
掛布: 真っ直ぐに関しては振る力に自信はありましたので、やはり課題は変化球でしたね。特に一番ビックリしたのは左ピッチャーのカーブでした。高校のピッチャーよりも、プロははるか上から降ってくるんです。大げさじゃなく、一瞬、ボールが視界から消えるんです。ボールが消えるわけですから、恐怖心が伴う。そうすると、ついボールを目で追ってしまって、顎が上がるんです。その時点で、もうバッターの負けです。

二宮: 当時、サウスポーの代表といえば巨人の新浦寿夫さんでした。183センチの長身から、鋭く曲がり落ちるカーブは、落差に加えてブレーキも鋭かった。
掛布: 新浦さんのカーブは、一度浮き上がってから沈むんです。ビルの2階というより、3階から落ちてくるような錯覚にとらわれました。

二宮: そのカーブを、どのようにして攻略したのでしょう?
掛布: とにかく首を動かしたら、こっちの負け。だからあくまでも自分の視界だけの幅で、ボールをとらえなけくてはいけませんでした。そこで僕が考えたのは、バッティング練習の時に、鏡の上に印をつけることです。新浦さんのカーブを想定して、軌道の変わるポイントに印をつける。それを首を動かさずに目だけで追うようにしました。

二宮: フォーム自体はどうでしたか?
掛布: 左ピッチャーのボール、特にカーブのように頭の上から曲がり落ちてくるボールを正確に目でとらえようとすると、(左打者は)右肩を少しオープン気味にしなければなりません。その方が視界が広く使えるからです。そして、実際に打ちにいく瞬間、スクエアにする。(前の肩を)閉じておいて開くのはダメですが、その逆は悪くない。この方が打ちやすいんです。

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