「母親・女性を演じながら原発稼働を訴える小渕優子経産大臣」ほか
『古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン』 vol.105(2014年10月3配信)より
スペインのヘマソラール太陽熱発電所---Photo wikipediaより

海外の送電技術は日本より優秀!?

古賀: (略)原発とか電力の関係を少し、最近起きてることについてコメントをしておきます。

再生可能エネルギーを優先的に買い取りましょうというFITという制度がありますけれども、九州電力が太陽光とか再生可能エネルギーの発電を希望している事業者が急増していて、もういっぱいいっぱいですよ、これ以上買えませんよ、ということを宣言しました。

風力とか太陽光というのは振れるわけですね。要するに、風が吹けば電気は大量に起きるけど、風がやめばなくなっちゃうとか、日中晴れれば太陽光発電できるけれども、日が陰ったり夜になればゼロになっちゃうと。そういう振れの大きい電力というのを大量に送電線につないでいると、送電線を流れる量というのが刻々と変化するわけですね。

風力や太陽光の出力がガーンと落ちたというときにパッと火力の出力が立ち上がる、あるいはその逆ができるというような調整ができればいいんだけれども、それをある一定の範囲ぐらいの許容の幅でしか対応できませんよと。要するにずれが必ずできますのでね。ということを言ってるんですよ。

ただ、非常に不思議なんですけど、例えばスペインとかイタリアとかはけっこう、ドイツなんかもそうですけど、太陽光とか風量のウエイトが非常に高いんですね。もう2割とか3割いってる国も多いんですけれども、日本ではせいぜい数%です、まだ。その2割、3割できる国があるのに、日本はできないと。これはどうしてなのかな、というのは非常に不思議ですね。

実はヨーロッパでも、昔、風力発電がドイツなんかで非常に増えたときに、大停電が起きてるんですよね、1回。それでやめようというふうになったかというと、そうはならなくて。そんなことで停電なんか起こしていいのか、という話になって、今はもう技術開発が進んで、そういう調整というのが非常にスムースにできるようになってるんです。

例えばスペインなんかは、かなり外国との間の連系線ってそんなに太くないんで、けっこう日本に似てると言われてるんですが、そのスペインでいま、太陽光がめちゃめちゃ増えていて、しかも大丈夫だと。スペインの送電、配電会社に聞くと、「日本が、いや、5%ぐらいで大変だと言ってるんですけど」と言うと、「何、言ってるんですか」という話をして、「だったら僕たち、やってあげるよ」ということなので、私は、送電事業にぜひ海外の企業を入れてほしいなというふうに思うんですね。

送電事業の許可をするときに太陽光とか風力の許容量というのをどれぐらいとれるのかと。ちょっとしかとれないよ、という送電事業しかできないんだったら、そんな会社にはやらせない、撤退してくれと。ほかの海外の優秀な企業を連れてくるよ、ということをやってほしいなというふうに思います。

北海道電力の大幅値上げ

古賀: もう一つ、北海道電力が2回目の値上げをしますと言ってます。これがすごいんですね。家庭向けで17パーセント、企業向け22.6とか23パーセント近く値上げすると。23パーセントって4分の1近くですからね、こんなことをやられたら、中小企業とかは本当にたまんないだろうな、と思うんですね。

それから冬に向けて家庭も暖房に、灯油を使ってるとこも多いんですけど、電気を使ってるところも多いですから。ただでさえガソリンなんかも値上がりしてるのに、さらにこれで追い打ちをかけるというのは相当な負担になるだろうな、というふうに思うんですね。

コストをつぐなうためにある程度値上げは必要かもしれないんですけれども、私はまず消費者とか中小企業にそれだけ負担をいきなりさせるということの前に、以前から言ってるんですけど、結局、北海道電力のビジネスモデルというのは失敗したわけです。原発に頼りすぎた。その経営の失敗の責任を、消費者あるいは需要家に押しつけるというんじゃなくて、経営の失敗というのはまずその企業。企業というのは経営人と、それから株主や銀行がその責任を取るべきだと思うので、まずはその人たちに責任を取らせてくださいよ、ということを消費者は真剣に北海道電力に言うべきだと思うんですね。

破綻処理すれば相当な、要するに北海道電力の借金をみんな棒引きにできるわけですからね。非常に消費者の負担は減るということになるはずだと思います。

小渕優子経産相について

〔PHOTO〕gettyimages

古賀: この間の安倍内閣改造の目玉の一つが、小渕優子さんが経済産業大臣になりました。非常にソフトな感じで高市さんなんかとまったく雰囲気が違うんで、人気があるんですね。若いですし、美人だとかいろいろ言われてます。美人かどうか、全然関係ないと思いますけれども、期待が非常に高かった。

で、雰囲気としてお子さんもいらっしゃって、母親の顔というのを前面に出して、最初就任の会見のときには、「やっぱり母親である私としては、みんなが原発心配だっていうのも本当に分かりますよ」というようなことを言ってたんで少し雰囲気が変わるのかな・・・・・・なんて騙されかかった人もいるんですけど。

この小渕さんというのははっきり言って、私から見ると何も考えてないな、というふうにしか見えないんですよね。自分の考えで新しい政策を出すのかなと思ったら、そういう感じはまったくなくて、事務方が書いたものを読み上げるばっかり。

母親、あるいは女性というのを演じながら、「でもその私がいろいろ悩んだ結果、日本のためにはやっぱり原発を動かさなくちゃいけないんです」という、そういう今原発に反対してる女性が非常に多いので、そういう女性の中の何割かでも、「やっぱりお母さんである小渕さんがいろいろ考えてそう言うんだったら、しょうがないのかな」という人たちを少しでもつくりたいという安倍さんの思惑なんですね。女性を重要な閣僚として、切り札的な小渕さんをここに置いたというのは何かというと、もうそれ以外、何もないだろうなと。

小渕さんとしては、もちろんいやな仕事ではあるんだけれども、逆に安倍政権って長いですから、まだ何年か続くというふうにみんな思ってる、その中で、ここでこれから冬から春、夏にかけて鹿児島の川内(せんだい)原発だけじゃないんですね。玄海原発とかいろんな原発が続々と規制委員会が安全審査を終わらそうとしていますので、それをどんどん動かしていくという不人気政策もやるわけです。これをこなせば、安倍さんとの関係では非常に成果をあげた大臣になる。ほかのことを何もやらなくても、原発一個動かせば100点満点、二つ動かせば200点というような感じになると思うんですよ。

ですから小渕さんとしては完全に確信犯で、多少人気が落ちてもいいやと、上司である安倍さんの言うことを忠実に守って、忠犬ハチ公のごとく、忠犬ハチ公がかわいそうだな、そんなこと言うと。そうなんだけど、来年の9月には総裁選で安倍さんが再選されるということを前提にすれば、そのときにまた総裁選があれば、その後人事というのもあるでしょう。そのときにさらにもうワンランク、ステップアップするような、例えば幹事長、というのは次の総裁選の後というのは選挙向けの態勢になりますから、そこで幹事長になれるかもしれない。・・・・・・(以下略)

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